りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

きく麿新作落語塾 Vol.6

2/14(土)、ミュージックテイトで行われた「きく麿新作落語塾 Vol.6」に行ってきた。

・ロボット長短
・お題取り
〜仲入り〜
・元イス

「ロボット長短」
まくらでは、仕事で九州に行って、そこで入ったちゃんぽんやさんやうどん屋さんの話など。
きく麿師匠のtwitterをいつも楽しく見ているので、なんとなく「こういうことがあったのかな」と断片的に理解していたことを、あれこれ詳しく聞ける楽しさよ。
お店に入るとおばちゃんが三人立ってて、ごぼう天うどんを頼んだら3秒後ぐらいにうどんが出てきたとか、食べてみるとごぼう天もうどんもやけにふわっふわに柔らかかったとか、お店に入る前になにを食べようかなぁと店のディスプレイを見ているとそこにおばあちゃんたちの集団が割り込んできたとか、有名落語家さんたちが絶賛しているちゃんぽんやのちゃんぽんがまずかったとか、とほほな出来事もきく麿師匠が話すとなんだかおかしい。

今日はまくらがたっぷりだなぁ〜と思っていると、前回お題取りをして作ってきた新作「元イス」をやりたくなさすぎて、ついついまくらが長くなってしまうのだ、ときく麿師匠。
わはははは。そうかー。
なんか前回から結構展開もお客さんと一緒に考える形にしたから、結構それが「縛り」になっちゃったのかもなぁ。
あの時に出た意見なんか全部けっちゃって好きに作ってもらっていいのに。

他にもあれこれ話が飛びながら、しばらく封印していたという「ロボット長短」。
これを封印した理由が、浅草でやってめちゃくちゃすべったから、というのがおかしい。
それもふう丈さんが「今日、めちゃくちゃいいお客さんですよ〜うけますよ〜」と言うのを鵜呑みにしてやったらもう全然だめだめで、というのを聞いて、ふう丈さんの顔が浮かんできておかしくておかしくて。
なんかふう丈さんって抜けてて憎めないんだよなぁ。
はん治師匠も大好きだという「ロボット長短」を生で見られてうれしい!

「長短」のエッセンスを残しつつ、長さん=ロボットっていうバカバカしさ。
謝るポーズをとるだけでも、うぃーんかしゃんうぃーんかしゃんってやたらと時間と手間がかかって、それに「ながいよっ!!」「めんどくせぇな!」っていちいちきれるのがおかしくてたまらない。
もともと改作って好きなんだけど、これはほんとに面白くて好きだなぁ。

「お題取り」
今回は、小噺を落語にするということで、お客さんに思いつく小噺を言ってもらったり、その背景や理由を考えたり…。
うーん…やっぱりあんまりお客さんの意見は取り入れない方が面白い新作ができるような気がしてきたなぁ。
だいたい私なんか指されると頭真っ白になっちゃてなんにも面白いこと考えつかないからなぁ。採用されちゃうとむしろ申し訳ない気持ちになっちゃって…。
お客さんは、お題(単語とかモノとか)をあげるぐらいがいいのかも。
というのをアンケートに書けばよかった。(あの場ではうまく考えがまとまらなかった…)

「元イス」
元イスの男が人間になって戸惑っているところとか、それをバイトの警備員くんが見つけて「上客」と間違えるところとか、シュールな面白さ。
でも前回のお題取りでわりときっちり決めてしまったからそれが縛りになってしまったのは残念だったかなぁ。
いや、縛りがあって残念なわけじゃなくて、展開が分かっちゃってるから、これからどうなる?ってワクワクが減っちゃうのか。勝手な言い分だな、こりゃ。
でも「あれ、あかんかったから使わなかったわ」でも、「できんかったから違う噺!」でも全然いいから、もっと自由に!わがままにやっておくんなまし!と、こんな場末でひっそり言ってみる…。