りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

立川談幸の落語なじみ亭

1/31(土)、連雀亭で行われた「立川談幸の落語なじみ亭」に行ってきた。
葵寿司で見てすっかり好きになった談幸師匠の独演会が復活した連雀亭で行われると聞いてうきうき参加。

・談幸「黄金の大黒」
・談幸「紺屋高尾」
〜仲入〜
・談幸「八五郎出世」

「黄金の大黒」
みなさんご存知かと思いますが立川流から芸術協会に移籍いたしまして、と談幸師匠。
誰か引きとめてくれるかなと思っていたんですが、誰にも引きとめられませんでした。おかげさまで円満退社させていただいて、と笑う。
年末の葵寿司の落語会の時はまだ聞いたらいけないのかな、と思っていたんだけど、もうこんなふうにご自分で話をされるってことは大丈夫なのね、とちょっと安心。
でもお弟子さん二人の移籍がまだ発表になっていなくてそこが心配。
ってあたしが心配してもしょうがないんだけど。

まだ寄席のスケジュールには入ってないですが、ありがたいことにお正月の寄席に代演で入れていただきまして、なんかうれしかったですね、と。
でもお正月に出るっていうことには若干のプレッシャーがありまして。
前座さんにお年玉をあげないといけないんです。
聞けば芸術協会には前座さんが26名いると!
なんだって?!と思いました。

そんなまくらから「黄金の大黒」。
なんでだかわからないけど、この噺を聞いていてなんかじーんとしてちょっと泣いてしまった。
この後の2席の方がどちらかというと泣ける噺なのに、なんでこちらで泣いたのか不思議なんだけど。

長屋連中が大家さんに呼ばれてヤイヤイやっている様子とか、大家さんの家に行って口が滑るところとか、大黒様が動き出すところとか。
なんかこういう世界観すごく好きだなぁ。そしてこの噺をこんなふうにする談幸師匠が好きだなぁ…。

談幸師匠ってあんまり立川流っぽくないなぁって思っていたんだけど、時々入れるくすぐりが「あ、やっぱり立川流だったんだな」って感じがした。
そんなに立川流をよく見てるわけじゃないから的外れかもしれないけど。
でもそれがなんかいいなぁ、って思って。
すごく楽しくてすごく素敵な「黄金の大黒」だったなぁ。

「紺屋高尾」
久蔵さんがいかにも職人らしくさっぱりからっとしていて、私が今まで聞いたのとはちょっと違った印象。
からっとしていてそんなに泣かせる演出じゃないところが好きだな。
「これってほんと男の夢よね、ふん」と思いながら、結局ハッピーエンドがうれしいのだ。

「八五郎出世」
お殿様になると品が良くていかにもお殿様らしく、八五郎になるといかにもがらっぱちで八五郎らしい。
憎めないキャラクターで見ていてとても楽しい。
兄妹の再会のシーンでは涙がぽろり…。
ダメなやつだけどいいお兄ちゃんだなぁ。いいなぁ。
けろっと明るくて軽くて、だけど優しさとあたたかさがじんわり伝わってくる高座。素敵だ。