特捜部Q ―知りすぎたマルコ―
特捜部Q ―知りすぎたマルコ― ((ハヤカワ・ポケット・ミステリ))
- 作者: ユッシ・エーズラ・オールスン,吉田薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 新書
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「特捜部Q」―未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の一部署である。「Q」が今回挑むのは、外務官僚の失踪事件だ。真面目で心優しいこの官僚は、出張先のアフリカからなぜか予定を早めて帰国後、ぷっつりと消息を絶った。背後には大掛かりな公金横領が絡むようなのだが…。事件のカギを握るのは、叔父が率いる犯罪組織から逃げ出したばかりの十五歳の少年マルコ。この賢い少年と「Q」の責任者カール・マーク警部補がすれ違い続ける間に、組織の残忍な手がマルコに迫るのだった!人気シリーズ第五弾。
楽しみに読んでいたこのシリーズ、だんだん読むのが辛くなってきた。
事件は陰惨だしカールは常に逆風にさらされているしアサドとローサの活躍だけが心の支えだけど大好きだったマークス課長も退職しちゃって…。
シリーズ物なのだから、もうちょっと楽しい要素もほしいわぁ。
とにかく子どもが辛い目にあう物語は読むのがしんどい。
今回の主人公マルコは叔父が率いる犯罪組織を逃げ出す15歳の少年。息子である自分を弟に売るようなふがいない父親と、かばってやったのに恩をあだで返すような仲間に囲まれて育ったけれど、頭がよくて才覚がある。
そんなマルコがクリーニング屋のゲイカップルに拾われてアルバイトをして小銭を一生懸命ためて図書館に通って本を読み漁り…徐々に希望を持ち始めたていたところに、追手に見つかり、積み上げていたものをぼろぼろにされるのが、つらくてつらくて…。
また、自分の利益のためになら手段を選ばない人を人とも思わない犯人たちが、今のこの国の政治家を見ているようで、読んでいて息苦しくなってくる。
汚いやつらが善意の人たちを踏みにじるところばかりを見せられるのはつらい。
アサドの秘密もちょっと引っ張りすぎだわー。
特捜部Qが後手に回りすぎだったのも不満。内輪でもめてないでもう少しまじめに捜査をしていただきたいよ…。
それでもマルコとカールが出会うシーンには涙涙…。
大好きなカールにもう少し活躍してほしいよー。パニック障害起こすカールなんてもう見たくない。