りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

関内寄席・柳家小三治・柳家三三親子会

12/14(日)、関内ホールで行われた「関内寄席・柳家小三治柳家三三親子会」に行ってきた。

・小かじ「二人旅」
・三三「二番煎じ」
〜仲入り〜
小三治「千早ふる」

小かじ「二人旅」
最近前座さんの間で「二人旅」が流行ってるのかな。これを面白くできるのって小満ん師匠か小里ん師匠か小三治師匠か…。それぐらいの域に達しないと難しいんじゃないかと思うんだけどなぁ。
あまり明るくない感じの人がやるとほんとになんかわびしさともの悲しさだけが残るんだよなぁ…。
でも小かじさん、上手になってきているね。この噺で、わっとうけさせていたのはなかなか。よく笑うお客さんだったっていうのもあるかもしれないけど。

三三師匠「二番煎じ」
昨日粟津に行って帰ってきたという三三師匠。粟津っていうことは天どん師匠の会のゲストか!
あちらではあられが降っていてそれを思い切り目で受け止めてしまって痛いのなんの。
そんなまくらから「二番煎じ」。寒い季節にぴったり、大好きな噺。
見回りに行ってさむがって手を着物から出さなかったり「火の用心〜」と謡のようになったり、吉原でのモテ自慢になったりするのが見ていて楽しい。

小屋に戻ってきてからの酒盛りのシーンでは、とても下戸とは思えないほどの酔っぱらいぶり。堅いことを言ってた月番さんがすっかり酔っぱらい、実は組み分けの時に飲んで楽しい相手を選んだと告白するのがおかしい。
役人が訪ねてきて鍋の上に座らされた宗助さん。「ふんどしがみんな汁を吸っちゃったよ」とぼそっとつぶやくのが面白い。

役人がしゅっとしていていかにも侍っぽく、それでいて駆け付け三杯という酒飲みっぷり。
楽しい「二番煎じ」だった。

小三治師匠「千早ふる」
ここに来る前に選挙に行ってきました、という小三治師匠。
私も投票してから来たので、いっしょだ〜とちょっとうれしい。
まだ投票時間が終わってないということで、あれこれ言っちゃいけないんだけど、毒を吐きたい小三治師匠。
今まで行っていた投票所の中学校が統廃合でなくなってしまったという話。それをするのに、小学校はどこそこに行っていたんだけどそこがなくなり、自分の行っていた中学ももう一つの学校と一緒になって場所はどこそこで…とどんどん話が細かくなっていって、でも地名や場所が出てこなくて、そのうち「あれ、何を言おうとしてたんだっけ」「なんだ、ここは横浜じゃねぇか」と我に返る。

で、うちのかみさんはもう何年も選挙に行ってない、と。本人が行きたくないっていうのもあるにはあるがそうじゃなく投票所まで歩いて行けなくなってしまった。
障害者の1級とか2級とかそういうのに認定されれば投票所に行かなくても投票できるシステムになっているらしいが、かみさんみたいな人はどうしたらいいんだろう。ふとそう思って投票所にいる人に聞いてみることにした。
自分が年をとったせいかもしれないけど改めてみると投票所にいる人がみな子どもみたいに見える。(わかるわかる。私もここ数年そう思ってた!)なんか頼りねぇなぁと思いながら、少しえらそうにしてる人に聞いてみたら、「障害者の1級2級と認定されれば云々」と言う。それは分かってるんだけど、そうじゃないけど来れない人にも投票できないのかって聞いてるんだ。
すると、「ちょっと上の者に確認してきます」と言って、もっと奥の方にいた見るからに位の高そうなやつに聞きに行く。何名か集まって話しているけどらちが明かずなかなか戻ってこない。こっちは今日ここもあるしそうゆっくりもしてられない。そんなに大変なことを聴いちゃった?それぐらいのこと選挙管理委員とかだったら知ってそうなもんじゃないか。だったらもういいや!と帰ろうとも思ったけど、こちとら顔もじっくり見られてて誰かってことも知られちゃってるから、それで帰ったりすると、あとで何を言われるかわからない。しょうがないからじっと待ってると15分ほどしてようやくその偉そうな人がやってきて、「障害者の1級2級…」ってまた同じことを言う。それはもうわかってるんだって!
で、本部に電話して確認したところ、そういう人はまずは自分が投票所に行けないということを願い出る。すると役所からどの程度の状態なのか確認をして、その結果「じゃあなたは来ないでも投票できるようにしますよ」という知らせが来る。それに「だったらそれでお願いします」と書類を出すと、今度からは郵送で投票できるようになる、と。
それぐらいのことだったら最初に聞いた時にそう答えてくれりゃいいのに。だから私は今日不機嫌です!

そして自分は政党とかそういうのは全然持ってないんだけど、とにかくいいことをしてくれるならいい、悪いことをされたら悪い、それだけだ。
今の政治家は嘘ばっかり。選挙カーで言ってること、みんな嘘っぱちじゃねぇか。だからあれは嘘つきカーだ。
だいたいほんとに覚えてなかったら「記憶にありません」とは言わない。「え?言ったっけ?覚えてねぇや」ってそう言うでしょ。それを「記憶にございません」なんて絶対ないよ。嘘つくつもりでついてんだ。
ううう。ほんとに私もそう思う。でも大好きな小三治師匠にそう怒ってもらえるとなんかちょっとほっとする。

で、知らないのに知っているふりをするより知っているのに知らないふりをするほうが悪い。でももっと悪いのは知らないのに知らないふりをすること。
そんなまくらから「千早ふる」。
小三治師匠の「先生」は、知らないことを聞かれてちょっと困ってる。困ってお茶をすすめたり話をそらそうとするんだけど、聞きに来た男が食いついて離れないので、あれこれごまかしてるうちに話を思いついて話し出す。
最初はさぐりさぐりだった「先生」が(「竜田川は川だと思うかい?」)徐々に調子づいてきて話を繰り広げていき、そしてそれを聞く男が「あーなるほどね」「そりゃそうなりますね」といちいち合いの手を入れるのがなんともいえず楽しい。
浪花節も気持ちよさそうで楽しい高座だった。