りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第八回中野新橋寄席

12/4(木)、八津御嶽神社で行われた第八回中野新橋寄席に行ってきた。

・入船亭小辰「鮑のし」
・むかし家今松「鰻屋」
〜仲入〜
・むかし家今松「夢金」

小辰さん「鮑のし」
小辰さんも好きな二つ目さん。達者だよなぁ。でもちょっとソツがなさすぎて逆に印象に残らないところがもったいないような気もする。

今松師匠「鰻屋」
今松師匠はさりげない言葉のセンスがとてもいい。ことさらにくすぐりやギャグを入れたりしないんだけど、何気ない言葉が妙におかしくて笑ってしまう。
酒を飲みに行かないかと誘われた男。普段なら大喜びで付いてくるのになぜかちょっと警戒気味。どうしたんだ?と聞いてみるとこの間ひどい目にあった、と。
友だちがいっぱいやらないか?と誘ってきたので珍しいこともあるもんだ、ご馳走になれる!と思って喜んで付いて行ったのだが、最初に「天ぷらでいっぱいどうだ?」と言われて「ありがてぇ。天ぷらでいっぱいなんておつじゃねぇか。おれは天ぷらはでぇこうぶつだ」そう言うと「そうか。じゃ、やめておこうか」と言う。
そのあと「焼き鳥はどうだ?」と言われて「天ぷらより焼き鳥の方が好きだ」と言うと「そうか。覚えておくわ」。
さんざん歩かされた挙句、川の水を飲まされるはめになった、と。

「おれはそんなことはしないよ。鰻屋でいっぱいやるのはどうだ?」
「うなぎでいっぱい?…贅沢だなぁ!」
いっぱい?といってからちょっと間があいて「贅沢だなぁ」とにやりと笑うのがなんともたまらない。この間と表情でこちらもうれしくなってくる。

またうなぎさきがいなくて主人がうなぎを捕まえようとするところが大げさじゃないのにとってもうまい。
するっと逃げていくうなぎが見えてくる。すごい。
こういうバカバカしい噺、大好き。

今松師匠「夢金」
「夢金」も大好きな噺。
「50両〜」「100両〜!」と大声で寝言を言うほどのごうつくばりの船頭八が、ある雪の晩、訳ありげな人相の悪い浪人風の男とその妹を船に乗せる。
酒手が十分に出ると聞いてきたのになかなか金をよこさない男にイライラした八が、船をこぎながらぶつくさ言うのがおかしい。
また男に女を殺して金を分け合おうと言われてからの駆け引きが、この八という男が悪党なのか良心があるのかわからなくてぞくぞく。

何回か見ていて内容を知っていても中洲のシーンにはワクワクする。
また今松師匠の顔が善人にも悪人にも見えるんだよなぁ…。
サゲで結構うおーーーとなるんだけど、そこを劇的にやらずに説明した今松師匠。今回このタイトルの意味を初めて知った!下ネタかよ!わはははは。