りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

春風亭一左勉強会

12/2(火)、新橋Red Pepperで行われた春風亭一左勉強会に行ってきた。
9月に初めてこの会に伺って、これからは毎月来たい!と思ったもののすでにチケットを買っている会があったため行けず、ようやく12月になって来ることができた。
ところで「春風亭一左」で検索すると、私のその記事が結構上の方に出てきてしまってちょっと申し訳ない気持ちに…。
一左さんの良さが伝わる記事が書ければいいんだけど、なにせパーパー書いてるだけなので申し訳ない。

・一左「普段の袴」
・一左「熊の皮」
〜仲入〜
・一左「あくび指南」

「普段の袴」
初めて刑務所の慰問に行ってきたというまくら。
受刑者の中から落語を聴きたいという希望者が100名ほど体育館に集められている。
みな同じ髪型に同じ服装でパイプ椅子にずらっと座っていて、そのまわりを刑務官が怖い顔をして立っているというかたーい雰囲気。
しかも会が始まる前に黙とう。
こ、これは必要なんだろうか。ますますシーンとしちゃってとても笑ってもらえるような雰囲気じゃない。
こんな中いきなり噺を始めてもウケるわけがないのでどうしよう…と思い、「今日はこういう会ですので…どうしましょう。どろぼうの噺でもやりましょうか」と言ったら、どっかん!!!とウケた。

ここでお店のマスターから「今日のまくら面白いじゃん」と合いの手が入り、「あ、ありがとうございます。でもできればそういうことは会が終わってから言っていただきたい」。
「そうだよ。うるさいよ、マスター」と常連のお客さん。
わはははは。最高だ。

この話には続きがありまして。
この仕事のあとに、今度は学校寄席の仕事が入ってたんですが、こちらが私立の名門高校。
朝行ったところと全然違うなーと思いながら行ってみると、こちらでも体育館に生徒が100名ぐらい集められみな同じ服(制服)を着てパイプ椅子に座っていて、そのまわりを先生が怖い顔をしてぐるっと囲んでいる。
あれ?なんか同じ?

いやぁ、一左さんってまくらが面白いんだよなぁ。そんなまくらから「普段の袴」。
お、これは一之輔師匠仕込み?祝儀不祝儀のぶつかりあいが!
見ていて真似をする八さんがかわいい。
そして袴を借りに行ってしっちゃかめっちゃかな八さんの言葉をちゃんと理解してあげる大家さんがいい。
楽しかった。

「熊の皮」
しっかり者のおかみさんとその尻にしかれっぱなしの甚兵衛さん。
仕事が早く終わって家に帰ると、なかなか家にあげさせてくれないおかみさん。
言われるがまま、水をくみにいき、お米をとぎ、洗濯をして干しに行ってくる。ぶつくさ言いながらもおかみさんの言いなりになって働く甚兵衛さんがかわいい。
近所に住む医者の先生からお赤飯をおすそ分けしてもらったからそのお礼を言って来いと、奥さんに口上を教わって先生のもとへ。
お医者さんの先生との会話もいい。先生が甚兵衛さんを好きだという気持ちが伝わってくる。
オチも楽しくてよかった。
お人好しで正直でちょっとぬけてる甚兵衛さんが一左さんにとても合っていた。

「あくび指南」
小三治師匠のようにあくびのお稽古の師匠の家がどんなにオツかという描写はなし。
風流に惹かれてお稽古に行ったのではなくて、女に惹かれていそいそ出かけて行った方なのだな。
自分に気があると思った女があくびの師匠の女房だと聞いてテンションが下がるけど、お手本を見せてもらって俄然やる気になる八さん。
夜は中に入るとなじみの女がいて…のところで、いかにも手馴れた女が「浮気してたんだろ」っていうところが何回出てきてもおかしい。
若くて元気な「あくび指南」(笑)。