りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

おっす!キテレツ!(第四回)

11/25(火)、神楽坂Art salon香音里で行われた「おっす!キテレツ!(第四回)」に行ってきた。

・瀧川鯉八「雨傘和尚」
・三遊亭粋歌「卒業」
・瀧川鯉八「透明人間」

鯉八さん「雨傘和尚」
出てくるなり「らくごカフェでお渡ししたTシャツ着てきた方が3名ほどしかいませんね。これは…反省していただきたい。ぜひ着てきていただきたい。」と鯉八さん。

きゃ〜すすすみません〜。
や、痩せてから着ようかなと思ってたんだけど、だめ?だめよね?そんなこと言ってたら一生着れないよね。
いやほんとに素敵なデザインなのでオサレな人が着たらすごくオサレだと思うんだ。うん。
肉肉しい私が着ると肉肉しくなると思うけど、着ます着ますとも!

本来であれば前回ネタおろしした噺を1席目にやることになっているので「新日本風土記」をやるところですが、3日前にやったばかりですし、あれ…何度も続けてやるような噺じゃないので今回はやりません。前回の会、およびらくごカフェにいらしてなくてこれを楽しみに来たという方がいらしたらすみません。
と言ってやってほしい噺を募るも「藪の中」のリクエストは華麗にスルーして「雨傘和尚」。

和尚と小僧の力関係が、会話をしている間にちょっとしたことで変化するのが楽しい。
圧倒的な権力者として振舞う和尚とそれにまったくあわせない小僧。
最初は「え?なんで?」「べつに?」というような反応だった小僧が思い切り反撃してきたときの和尚の反応が意外で楽しい。

粋歌さん「卒業」
らくごカフェに引き続きゲストで登場の粋歌さん。
今日は鯉八Tシャツを着て来たということで、「みなさん、着てくださいね」と。
「私、あれを作るのに幾らかかったかって聞いたんですけど…もちろんここで言ったりはしないですけど、でも値段聞いて私…正直引きました」。
そんなまくらから鯉八さんからリクエストがあったということで「卒業」。
おお、この間の「せめ達磨」でネタおろしした噺!

ストーカーのプロ意識を熱く語る男。気持ち悪いはずなのになぜか全然気持ち悪くないのがおかしい。
ストーカーをしていたというわりに結構冷ややかに見ている視線が面白い。
和モノのお稽古をあれこれやって今は落語だけ、とか、相手から告白されるっていうことはなくてたいてい自分から告白するか飲み会のあとぐずぐずになって付き合う…とか、細かいところが「わかるわかる」なのがたまらない。

鯉八さん「透明人間」
透明人間の告白という本がありまして私この本を中学生の時に一番最初に読んで、そのあとも2回ほど読み直しています、と鯉八さん。
おお、これ読んだよ!たしか「本の雑誌」で椎名誠が絶賛していてそんなに面白いのか!と思って買ってきた覚えがある。
でも実はこれを3回読んだといっても読破したわけではなくて、これ30ページ目ぐらいに濡れ場があるんですけど、毎回ここで止まってしまう。
初めて読んだ時は、こんな名作と言われる作品に濡れ場が!と思ってそこで止まってしまい、その後もいつもここで止まってしまう…。
そんなまくらから「透明人間」。

「君が透明人間だって信じてるさ」
どうやら透明人間が目の前にいてそれとしゃべっているらしい男。
これこれこうなっているからもう言われなくたって君が透明人間だってことは信じるよ、と言うのだが、どうやら透明人間の方は自分が透明人間であることを証明してみせる、というようなことを言ってるらしい。
透明人間のセリフはなく、聞いているシーンだけなので、今透明人間は何を言っているのかはこちらには分からない。 「え?ペンキをかけてくれ?いやだよー」
「ホームセンターにペンキだけ買いに行くなんていやだよー」

オチがまくらとつながっていて、なるほど〜。
ご本人は「今朝できた。慌てて作ったからこんな程度」とおっしゃっていたけれど、透明人間と「いないことになっているけどここにいる男」の会話っていうのがなんともそそられるシチュエーションで好き。