りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

変愛小説集 日本作家編

変愛小説集 日本作家編

変愛小説集 日本作家編

★★★★★

五月のあの朝、わたしはどうしようもなく恋に落ちてしまった―。木に片思いをしたり、バービー人形と真剣交際したり。変な愛はこんなにも純粋で狂おしい。数多くの熱心な読者を持つ訳者が選び抜いた、奇想天外で切実な想いのつまった11篇。ありふれた恋愛小説とは一味も二味もちがう、「究極の愛」の姿。

岸本さんが日本作家編?と思ったけど、なるほどこれは確かに岸本さんが好みそうな作品揃いで、海外編と比べても遜色ない。
誰かを好きになったり何かに心ひかれたり偏愛したり気にかかったり気にさわったり…それを愛と呼ぶならば愛はそこらじゅうに溢れていて、あるときは救いになりまたあるときは絶望になる。
世界の常識がどう変わろうと、愛するという気持ちだけに変わりはない。そのことに勇気づけられる。

読み終わって心がしんとする作品もあれば、なんじゃこりゃー?もあって、最近本を読んでなくて何がいいか分からないけどちょっと変な小説を読みたいという人にもぴったりだと思う。