りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第114回福袋演芸場

10/13(月)、池袋演芸場で行われた第114回福袋演芸場に行ってきた。
休日の10時からの落語会なんてどんなスキモノが行くんだよと思っていたのだが、私のようなやつが行くのだった。
そしてそういう人が大勢いるのだ!9時半開場だったので9時15分ぐらいに行ってみたらすでに行列ができていてびっくり!しかも小中学生の集団もいて、地元の子たちなのか?それとも宿題かなにか?わからないけど、どう見てもイヤイヤ連れられてきたのではない…自発的に見ようと思って見に来た子たちで、思わず頭を撫でながら飴ちゃんを配りたくなったぜ。(しないけど)

・ろべえ「長屋の算術」
・正太郎「目黒のさんま」
・一左「締め込み」
・市弥「明烏

ろべえさん「長屋の算術」
この会、「北は北千住から南は南青山まで」というタイトルが付いていて、下町チームVS高級住宅街チームということらしい。
「長屋の算術」は初めて聴いた。
学のない長屋と呼ばれていることを知って悔しい大家さんが長屋の連中を集めて算数を教えようとするんだけど、問題を出すとお金をもらえるのかと思って食いついてきたり、まるで話が進まない。こういう噺、好きだなぁ。
ろべえさん、ちょっと時々慌てすぎ?な感じがあったけど、それも含めておっちょこちょいな感じが楽しかった。

正太郎さん「目黒のさんま」
学校寄席のまくら。
落語の後に教室に行って生徒さんたちと給食を食べることが結構あるんだけど、ウケた日なんかだともう子供たちが「うちの班で食べて!」「いやこっち!」と大人気。俺はあの落ち着いた女の子の班長の班がいいなぁ、なんて思っていると、先生が「じゃ、班長さん出てきてジャンケンで決めましょう」。
ジャンケンの結果一番うるさいおふざけ男子の班に座ることになったのだが、みんなどうにかして正太郎さんを笑わせようとギャグを言いまくってくる。
いや、笑わせるのはこっちの仕事だから…と思うのだが、みんな必死。たいていが内輪ウケなので正太郎さんより子供たちの方が大爆笑。それで女子が思わず牛乳を吹き出してしまったんだけど、このクラスでは牛乳を吹き出すことを呼ぶ言い方があってそれが「天の川」。英語で言えばミルキーウェイ。確かに…。
天の川でさらに盛り上がった子供たちが笑いすぎてついに一人がリバース。このクラスではこれにも呼び方があってそれが「ナイアガラ」。
っておもしろすぎるでしょ、このはなし!
前の方に座っていた小学生たちももう大笑いしていた。
「目黒のさんま」でお決まりの政治家の名前を呼ぶクスグリに小学生がまた大笑い。
さすが、学校寄席に行ってるから、子どものツボはよくご存知なのね。

一左さん「締め込み」
出囃子が流れ出してびっくり。二上りかっこ!!
なかなか一左さんが現れず笑い声が聞こえていたので他の人にいたずらされた?
と、一左さんが小三治師匠の真似をしながら登場。おじいさんっぽく出てきて座布団に座って頭を下げてお茶を飲む仕草。わははははは。最高だ。

町屋に住んでいて2年前に空き巣にはいられまして、という話から。
そうそう。一左さんのことを調べようと「一左」って打つと「空き巣」って出てくるんだ…。気の毒すぎる。
そういうこともネタにしなきゃいけないのが噺家さんの辛いところでもありたくましいところでもある。
ま、はいられたことを逆手にとって今日は泥棒に入る噺を、と「締め込み」。

空き巣に入ったものの家の人が帰ってきてしまって慌てて床板を上げて漬物樽の隣に隠れる泥棒。
泥棒が残していった風呂敷を見て、女房が男を作って出ていこうと誤解する旦那。
旦那に責められて、あんたこそ女ができたんだろと反撃する女房。
女房が投げつけた鉄瓶のお湯が上から垂れてきて思わず飛び出した泥棒。喧嘩の仲裁に入り「こうなった理由を知ってるのか」「知ってます」「なんで知ってるんだ?」と聞かれると「…そこです」。
ためらいがちなこの間がたまらなくおかしくてもう大笑い。
泥棒?けしからん!となりそうになる旦那に「仲裁は時の氏神ですから」とたしなめる泥棒。「それもそうだな」と感謝する夫婦。
一左さんのゆったりした語りと、いつもちょっと困ってるっぽいご本人のキャラクターがこの噺に合っていてなんとも落語らしくてとてもよかった。

市弥さん「明烏
この会はネタだしされていたので、子供が結構たくさんいるけど「明烏」…と心配しながら見ていた。
内心は「こ、こどもが…」と思っていたのかもしれないけれど、男らしくきっちり「明烏」をやりきった市弥さん。 市弥さんらしく清潔感のある若旦那でよかった。