りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

三笑亭夢吉&春風亭一左 第二回 町屋の落語家ふたりによる町屋駅上二人会

8/30(土)、ムーブ町屋4階ハイビジョンルームで行われた「三笑亭夢吉&春風亭一左 第二回 町屋の落語家ふたりによる町屋駅上二人会」に行ってきた。

・三遊亭らっ好「やかん」
・春風亭一左「宗論」
・三笑亭夢吉「目黒のさんま」
〜仲入り〜
・三笑亭夢吉「権助魚」
・春風亭一左「粗忽の釘

らっ好さん「やかん」
らっ好さんは三遊亭好太郎師匠のお弟子さん。
リズムもよくてメリハリもあって気持ちのいい落語。講談の言い立てもなかなかのもので拍手が起きていた。

一左さん「宗論」
一左さんは初めて。あらなんか好きかも、いいかも、なんか好きだわ、うん。
町屋に住んで9年。この会場から歩いて6分ぐらいのところに住んでいるという一左さん。
お盆は仕事がなくて暇だったので勉強会を開いたら、いつも来てくれる人が来なくて、たまに来てくれる人も来なくて、いつも来ない人も来ない。大変なことになりました、と。

宗教という禁断の領域に挑戦します。所詮落語なので気楽な気持ちで聞いてくださいと「宗論」。
キリスト教にかぶれた息子の話し方が嫌味なくおかしい。旦那も旦那らしくてその対比がいい。
おっとりしていてイヤミがなくて好きだな、一左さん。

夢吉さん「目黒のさんま」
前回この会に出たときは「町屋在住」と言いながら、引越ししてまだ半年しか経ってなかった。
今回はあれから1年たって町屋住民度は確実に上がってます、と夢吉さん。
町屋はいい町ですと言いながら、朝早い時間に用事があって町を歩いていたら、前の方で警官2名とおばさんがなにやらもめている。おばさんがとにかく猛烈に怒っていて警官に向かって「あんたたちよりもっと年上の息子もいるあたしに向かって×××!!」とまくしたてている。
嫌だなぁと思いながら通り過ぎようとすると「そう、あの人!あの人ぐらいの年よっ!」と、思い切り巻き込まれてしまった。
そんな素敵な町です、町屋ってあなた…。町屋の素敵さが伝わってこないエピソード。

この仕事をしているといろんな地方に行ってそこの名産をいただけるのがありがたい、と。
地元の天然水を売り出すことになり、その販促イベントの寄席に呼ばれた夢吉さん。まるで猫よけのように高座に2リットルペットボトルを置かれて落語。打ち上げでも酒じゃなく水で乾杯。せっかくだしと思って「おいしい水ですね!」と褒めると、地元の人がえらい喜んでくれてお土産に2リットルのペットボトルを12本持たせてくれた。
それを両手に持って帰るのが辛かったこと。
それ以来、重いモノをむやみに褒めるのはやめようと思った、と。
しいたけなら大丈夫と思って褒めたらしいたけの大木を持たされたり、青菜をほめたら箱にそのまま詰められた青菜を持たされたり。魔法が立川あたりでとけて、着物姿でむき出しの青菜を持って立ってるおれっていったい…と恥ずかしくなる、と。

そんなまくらから「目黒のさんま」。
噺に入ってしばらくして「あーあれかとお気づきでしょうが、あらすじを隣の人に話したり、オチは”やっぱり○○に限るな”と先にいうのはやめてください。大人の約束です」と夢吉さん。
殿様はお腹がすいてもこんなふうに暴れることはできないと言ってやってみせたダダのかわいさよ…。もうほんとに夢吉さんはかわいいんだからっ!
じゅわじゅわ油の乗ったさんまが目に浮かんで思わずじゅるり。

夢吉さん「権助魚」
ちゃっかりしている権助がかわいい夢吉さんの「権助魚」。
毒舌吐いてもちゃっかりしていてもどうやってもかわいいんだからまいっちゃう。

一左さん「粗忽の釘
粗忽な大工のくまさんがおっとりしていてかわいらしい。

おかみさんも小言を言いながらも面白がって見ている感じが伝わってくる。 行水してふぇーふぇーっていうのは一之輔師匠から教わったのかな。なんとなく照れも伝わってきつつ、楽しくて笑った笑った。
あらなんかいいわね、好きかも、好きだわ、な気持ちが盛り上がり、来週勉強会があるから行ってみようかな。
夢吉さん目当てで行ったこの会で、すっかり一左さんが好きになって帰ってきたのだった。