りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

盲目的な恋と友情

盲目的な恋と友情

盲目的な恋と友情

★★★★

一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。恋にからめとられる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への―。醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書き下し長編。

執着は人間を狂わせるということか。自分の欠損を埋めるための恋愛や友情は突き詰めると悲劇しか招かないのだな。
他のひとのしているのとは訳が違う恋愛。他のひととは訳が違う友情。思い込む彼女らが哀れだ。

男は薄っぺらいし女は気持ち悪くて嫌な話だが、案外楽しく読んだ。不思議と楽しい。