りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

らくご街道雲助五拾三次 ー大川ー

6/19(木)、日本橋公会堂で行われた「らくご街道雲助五拾三次 ー大川ー」に行ってきた。
毎回行きたいこの落語会。
仕事でチケットを無駄にしたり他の落語会のチケットをとってしまっていたりして、久しぶり。

・雲助「鰻屋」
・雲助「汲みたて」
〜仲入〜
・雲助「宮古川(通し)」

「鰻屋」
会場では雲助師匠がデザインした手ぬぐいを販売していて、珍しく雲助師匠がこの手ぬぐいの宣伝。色がすごく綺麗に出ているとか、洗面所、トイレで使ってもいいし、ふきんにしてもいい、と。
めちゃくちゃ欲しかったのだが、今月来月と金欠の私。うううー。八月になったら買いますからー。それまで残っていて〜。

雲助師匠の「鰻屋」は初めて。
いやもうおかしいおかしい。「えっ」ときょとんとした顔をしたあと、「よせよ〜」と破顔するそれだけでどうしてこんなにもおかしいのか。
鰻裂きの職人が留守にしていてタダ酒が飲めたからまた行こうと友だちを誘って鰻屋にきた男。なんのかんの言って客を帰らせようとする店の主人に無理やり鰻を捕まえさせようとする。
この主人がやたらとぎゃあぎゃあ言わなくて品がいいのがなんかいい。
最初に男が目をつけた鰻は「開店当時から生き延びてる鰻」で、次に指さした鰻は「患っていてコホンコホンと咳をする」。
無理やり今風の解釈を入れなくても落語は十分面白い。変に理屈をこねまわす落語より、私はこっちの方が断然好きだ。

「汲みたて」
初めて聞く噺。
女のお師匠さん目当てでお稽古に通う男たち。しかしどうもあのお師匠さんは建具屋の半公とできてるらしい。
手伝いで師匠の家に泊まったことがある与太郎を問い詰めると、ぼんやりしている与太郎でさえ「あれはできてるな」と言うから間違いない。
半公の野郎、うまくやりやがって。面白くない男たちは、師匠と半公と与太郎が舟遊びをしに行くと聞いて、舟に乗って太鼓や笛でうるさくして雰囲気をぶち壊しにしてやろうじゃないか!と出かけていく。

男どもが集まって師匠の噂話をしているその様子だけで面白い。
熱心に稽古に通っているわりに全くうまくならない男、あまりに歌がうまくならないので三味線に切り替えたけどあれはいいぜ、と鼻の下を伸ばす。
師匠をモノにした半公がどことなくいい男っぽいのがまたおかしい。舟の上で端唄を歌ってみせたりして確かにこういう男はうまいことやりやがるんだろうなぁと思わせる。
タイトルの通り、サゲは下ネタっていうのがまたバカバカしくていい。

宮古川(通し)」
一度だけ通しで聞いたことがあったような記憶があるのだが、どういうストーリーだったか忘れてしまっていた。
寄席で見るときはお花ちゃんが積極的で迫っていくのを面白おかしくやるのだが、通しでやるとなると前半がそれだと後半とのギャップが大きすぎるからなのだろうか、同じストーリーだけど非常に淡々と。
それでも一晩泊めてもらいに行くおじさんが頭が柔らかくて早とちりなのはそのままで。 女を連れて来たというので早とちりして「万事飲み込んだ」と先走ったり、寝ぼけてるおかみさんと思い出話をするところは、なんともいえず微笑ましくておかしい。

後半、そうだそうだ、雷が落ちてお花が気絶してそこにならず者の3人男がやってきて…。
結末を忘れてしまっていたので、いったいどうなるんだ?とドキドキしながら、芝居仕立ての噺に目を奪われる。
私は落語だったら軽めの滑稽噺が一番好きなんだけど、それでも時々はこういうストーリーをじっくり追うような噺もいい。
ものすごい緊張感で聞いていただけに、最後まで聞いて、ほ〜っとため息。
いやぁ、やっぱりいいわ、この会。次回も楽しみ〜。