りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

東京百景

★★★★★

ピース・又吉直樹、すべての東京の屍に捧ぐ。「東京は果てしなく残酷で時折楽しく稀に優しい」いま最も期待される書き手による比類なき文章100編。自伝的エッセイ。

あらやだ、いい。
作家のエッセイと違って読んでいると本人の姿が浮かんできてしまうのだが、ここまで自意識過剰を告白しながらも嫌な感じが全然しない。
いかにも文学好きらしい散文、後輩とのバカ話、じわっとくるエッセイ、とバランスも絶妙で、そこに独自のお笑いのエッセンスがまぶされるので思わず吹き出してしまう。

確かに独自だよなぁ、又吉さんのお笑い感覚。
確かに客が爆笑じゃなくキョトンになるのもわかるのだが、文章にするとこれがすごくいいんだよなぁ。むしろ文章にするとすごくいい。なんて言うと失礼か。
これからもどんどん書いてほしい。