りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

直木賞受賞エッセイ集成

直木賞受賞エッセイ集成

直木賞受賞エッセイ集成

★★★

来たる平成二十六年一月の選考で第150回を迎える直木賞。二十一世紀初の受賞者は、第124回の重松清山本文緒の両氏でした。本書は、この回から第150回までの三十六名の人気作家と新受賞者の受賞エッセイをまとめた一冊。『オール讀物』の直木賞掲載号のエッセイもしくはロングインタビューに加えて、奥田英朗氏のみ書きおろし随筆が入ります。それぞれのエッセイが多くの作家のキャリアの結節点を記している面白さはもとより、エンターテイメント小説界のひとつの大きな潮流をつぶさに感じとれる内容になっています。

小説を読むときに作者の人柄を気にしたりはしないけれど、エッセイを読むとどうしてもその人の人となりがあらわになるので、こんな人の書いた物をわざわざ読む気にはならないなぁと思ったり、逆に今まで興味がなかったけれど読んでみようかなと思ったり。

角田さんのエッセイは前に読んだことがあったものだったけれど、直木賞受賞エッセイとは知らなかった。
自分の作家としての分岐点について語っているのだけれど、正直に真摯に語りながらも、ちゃんと作品として成立していて、受賞のエッセイと言われてこれだけのものを書いてしまうといのは凄いなぁ、としみじみ思ったのであった。