りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第392回日本演芸若手研精会

4/8(火)、日本橋公会堂で行われた第392回日本演芸若手研精会に行ってきた。
このメンツで前売り千円は安い!ものすごくお得だわー。
あきらかに他のホール落語とは違った客層。将来有望な若手噺家を応援しようという年配の人がたくさん詰めかけていて、一種異様な熱気が感じられた。

・柳亭市助「一目上り」
・入船亭游一「親子酒」
・春風亭正太郎「湯屋番」
・柳亭こみち「崇徳院
〜仲入り〜
・入船亭小辰「長屋の花見
・三笑亭夢吉「蛙の子」

市助さん「一目上り」
もう何回見ただろう、市助さん。いかにも噺家さんらしい風情もいいし、メガネをかけてきちんと仕事をこなす姿も気持ちいい大好きな前座さん。
見るたびに上手になっていく。ご隠居さんがちゃんとご隠居さんになってるし、間の取り方がとても心地よくて感動を覚える。すごいよ、市助さん。

游一さん「親子酒」
大好きな噺。私が好きな菊之丞師匠の「親子酒」に比べると、酔っ払い方が物足りないかなぁ。親父のねちねちした酔っ払い方と帰ってきた息子のへべれけ具合がもう少し違っていたらもっと面白くなると思う。

正太郎さん「湯屋番」
今回が初登場の正太郎さん。私はこの会、初めてだったんだけど、二つ目さんにしたら由緒ある会でこの会のメンバーになれることは名誉なことらしい。
正太郎さんらしくハイテンションでどやどや!と押しまくる高座で、つかみはオッケー!って感じだった。

こみちさん「崇徳院
二日連続のこみちさん。よく当たるなぁ。というか、この会に行こうと思ったのは、こみちさん、小辰さん、夢吉さんが出ていたから、なんだけど。
こみちさんの「崇徳院」面白かった!これ、結構ダレ気味になる難しい噺だと思うんだけど、こみちさんはいい具合に切り込んでいて最後まで飽きさせなかった。

小辰さん「長屋の花見
小辰さんの「長屋の花見」はこれで3回目。正直、違う噺が見たかったわ…。でも3回見てようやく気がついた。小辰さんの「長屋の花見」は小満ん師匠から習っているのですね?
若いのに風流な匂いも出ているところが素晴らしい。

夢吉さん「蛙の子」
待ってました!の夢吉さん。
またまた聴いたことのない珍しい噺。
6歳の子どもが「飲む(奈良漬)」「打つ(玩具をかたに)」「買う(吉原通い)」の三道楽。およそ子供らしくない子供に親は困り果てているのだが、実は道楽が酷い父親の反面教師になろうとしてやっていることが途中で分かる。
相当こまっしゃくれた子どもなのだけれど、夢吉さんがやると生意気を言ってもにじみ出てくる可愛らしさがあって憎めない。
そして子供の真意が分かるところでお涙ちょうだいになりそうなものだが、そこはぐっと抑えていやらしくやらないところが夢吉さんらしくていい。
見るたびに好きになる夢吉さん。いいなぁ。

そういえば落語ファン倶楽部が終刊になるということでその最終刊となる一門名鑑を買って見ていたら、夢丸師匠が夢吉さんのことを「了見がよく、周りにかわいがられていて、将来が楽しみ」と評していて、なんだかじーんとしてしまった。