世界音痴
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/10/06
- メディア: 文庫
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末期的都市に生きる歌人・穂村弘。バブルのただなかに青春を過ごし、「自分かわいさ」をひたすら突き詰めて生きてきた。「世界」に憧れつつ「世界」に入っていけない「青春ゾンビ」の日常と心情を赤裸々に綴る、爆笑そして落涙の告白的エッセイ。
言い捨て系女子には「気持ち悪い」と切り捨てられそうなウジウジさを持ちながらもそれを作品に昇華できるところが強味だなぁ。
そして時々はっとするほどのいいえて妙。これがたまらない。
罰ゲームととらえていた青汁を突然飲むようになるきっかけが「切実さ」というのには納得。
そしてわたしも穂村さんと同じく世界音痴。それにしても「世界音痴」というのはすごいコトバだな。世界とうまく折り合えない。なんにつけても自信がないので、「正しい振る舞い」ができる気がしない。それゆえ居たたまれない時間がとても多い。
自意識過剰と言われるかもしれないが、大人になるために経験しなければいけなかった何かがすっぽり抜けてしまったからだろうとぼんやり思っている。
この年までこれできてしまったのだからもうどうしようもないんだろうな、と開き直りながらも、やはりいつまでたっても大人になりきれてないという劣等感からは逃れられず。せめて本でもたくさん読もう、と思うのだ。