りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第十一回・夢吉のバカ! 三笑亭夢吉ひとり会

11/28(木)、上野広小路亭で行われた「第十一回・夢吉のバカ! 三笑亭夢吉ひとり会」に行ってきた。
夢吉さんは以前一之輔師匠との二人会で見て「おもしろいっ!」と思った二つ目さん。
落語研究会の開口一番で見たときも面白かったので、久しぶりに見たいぞう!と探してみたら、こんな素敵な会が!

・瀧川鯉毛「やかん」(ネタおろし)
・三笑亭夢吉「附子」(ネタおろし)
・三笑亭夢吉「五人男」
〜仲入り〜
・三笑亭夢吉「明烏」(ネタおろし)

夢吉さんがネタおろしをやる会らしく、行ってみたら会場は満員。 客層は若くてかわいらしいお嬢さんと、二つ目さんを応援しようといういかにも落語通なおじ様、の真っ二つ。なんかこういう雰囲気は初めてだ〜。

まずは夢吉さんが出てきて挨拶。
見た目はいかにも噺家さんっていう感じなんだけど、話し始めると透明感があって感じがいい。

鯉毛さん「やかん」
まんじゅうこわい」しか見たことのなかった鯉毛さん。ネタおろしをさせていただきますと「やかん」。
途中忘れて思い出そうと四苦八苦したりしながらの「やかん」。
しっちゃかめっちゃかなところはあったけど、面白かった。いいのでは!

夢吉さん「附子」
昨日まで札幌にいたという夢吉さん。せっかくだからとさっぽろテレビ塔の展望台にのぼった。ああいうものはエレベータがひとつの見所なのだと思うが、テレビ塔の後ろ姿がばーんと見えるだけで景色が見えない。
係りのお姉さんが「みなさま、右手に見えますのが…」と説明してくれるが、みなさまっていってもいるのは自分一人。
展望台も「ザ・閑散」という感じ。祀ってあるのが「テレビ父さん 」っていうありがたくもなんともなさそうなゆるキャラもどき。
しかしそこで一心不乱にお参りしている女の人が一人いてなんだか怖かった、と。

この会が10回を迎えたことをお祝いして、今日はみなさんにおみやげを買ってきました。もらってもどうしようもない途方にくれるようなものを用意してきました、と。
その重いだけのnipopo人形(しかもペア)ほしい〜!!と思ったけど、はずれでしたわ。残念!

ネタおろしということで「附子」。
これがめちゃくちゃ面白い。
さすが前座時代「さだきち」と呼ばれていた夢吉さん。一癖ある小僧のさだきちと田舎者のごんすけさんの魅力的なこと。二人の会話に笑いっぱなし。
リズムがよくてメリハリがあって好きだなぁこの人の落語。これで二つ目?!

夢吉さん「五人男」
地方で落語会をやると、「これが初めての落語でした」というお客さんが結構いる。
1年ぐらい前に、とある地方で落語をやったら若い男の人が「初めて見たんですけどとっても面白かったです。これから落語を見てみようと思いました」と話しかけてきてくれた。
こんなふうに言われると落語家冥利につきるというか、やっていてよかったなぁと本当にうれしい。
1年ぶりに同じところで落語会をやったら、その時の若い男の人がまた来てくれていて「あれからyoutubeで落語をたくさん見ました」と。
youtubeかよ!と思ったのだが、その人が落語が終わったあとにまたやってきて「同じ噺を志ん朝師匠で見たんですけど、夢吉さんはまだまだですね。志ん朝目指して頑張ってください」と。
この1年の間に何があった?!なぜそこまで行ってしまった?!と。

「五人男」は、素人芝居のドタバタを描いているんだけど、これがまた面白い。
声もよくて芝居のかたちも様になってる。
なによりも生き生きしていて見ていて元気になってくる。素敵。

夢吉さん「明烏
これがまた若々しくかわいらしい「明烏」で。
この噺、あんまり好きじゃないんだけど、かわいらしい若旦那と町内の札付きの二人のとほほぶりが楽しくて、よかった。

なんかすっかり好きになってしまった。夢吉さん。
また見に行こう。