りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

瀧川鯉昇・春風亭百栄『あやしいふたり』

11/26(火)、月島社会教育会館で行われた「瀧川鯉昇春風亭百栄『あやしいふたり』」に行ってきた。
大好きな鯉昇師匠と百栄師匠の二人会、しかも大好きな道楽亭の主催ときたら行かないわけにはいかない。

・鯉毛「饅頭怖い」
・鯉昇「馬のす」
・百栄「天使と悪魔」
〜仲入り〜
・百栄「芝居の喧嘩」
・鯉昇「味噌蔵」

鯉毛さん「饅頭怖い」
以前、鯉昇師匠・兼好師匠の二人会で見たことがある前座さん。 あの時より上手になってる!ちょっと聞き取りづらい喋り方なのが気になるんだけど、それでも前よりずいぶんわかりやすくなっていて、笑いも起きていた。がんばれ〜。

鯉昇師匠の「馬のす」
富士登山、オリンピックのいつものまくらから、なんでも当日よりその前の準備期間が一番楽しいという話に。
遠足も前の日がワクワクドキドキして何度もリュックをひっくり返しておやつやバナナを確かめて、夜も眠れなくて当日は寝不足でふらふら、おやつのせんべいの袋もぐしゃぐしゃ。
結婚も、結婚式がとにかく楽しみで楽しみでそれまで気持ちが高揚して盛り上がって、結婚式の後はひたすら下降線をたどっていく。
結婚式を楽しみにしている鯉昇師匠を想像してにやけてしまう。

「馬のす」は以前小柳枝師匠のを見たことがあるけど、軽くてばかばかしくて大好きな噺。
久しぶりに釣りに行く前日、竿を用意して手入れをしていると、釣り糸が切れてしまう。
もう道具屋もしまっちゃってるしどうしよう、と思っていると、自分の家の前に馬をつないでどこかへ行っちゃった男が。
全く迷惑だよといながら馬を見ていてはたと気づいた。馬の尻尾が釣り糸になるんじゃない?

尻尾をひょいっと抜いて、おお、これはいける。
じゃもう一本、あともう一本。
尻尾を抜くしぐさだけでおかしい。鯉昇師匠は身体の使い方がとても上手なんだよなぁ。
そこへ通りかかった友達が「え?お前、今何してた?馬の尻尾を抜いちゃったの?…ああっ…。」
言われた男は「え?いけないの?」
「ああ、お前は知らないんだな…」

そんなことを言われたら気になって仕方ないから家に上げて酒とつまみを振舞う。
友達は出されて酒と枝豆にご満悦でなかなか「馬の尻尾」の話をしない。
鯉昇師匠の食べる枝豆もうまそうなこと。思わずごくり。
短い噺だけど楽しい〜。

百栄師匠「天使と悪魔」
古典の天使と新作の悪魔に翻弄されてなかなか噺を決められない栄助さん。鈴本のお席亭への恨みつらみや売れっ子になっていく一之輔師匠への羨望や、思わずぶぶっと吹き出してしまう小ネタが散りばめられていて楽しい楽しい。
サゲも落語好きにはたまらない。

百栄師匠「芝居の喧嘩」
前に見たのは一朝師匠だったので、そのギャップでもう笑える。わはは。
そういえば百栄師匠の袴姿、初めて見たかも。
「天使と悪魔」が長かったので、こちらはコンパクトに。

鯉昇師匠「味噌蔵」
鯉昇師匠のけちべえさんはしみったれだけどどこか憎めない。
だけどなにより魅力的なのが番頭さんだ。
店の者に主人のいぬ間にご馳走食べたいと言われ、「何を言ってるんだ」と声を荒らげたものの、「最初からそうするつもりだった」と頼んでおいた酒を見せる。
店の一番の古株は「お料理」という単語が思い出せない。
味噌田楽を「からや」(おからを売ってるから「からや」)で買ってくるという者。
酒をつまみに酒が飲みたいという者。 ふだん飲み慣れてないからすぐに酔っ払ってしまうのもおかしい。

まくらで「季節の変わり目で風邪を引いた」と言っていた鯉昇師匠。途中咳き込んだり声もかすれて、ちょっと心配。
あんまり薄い布団で我慢しないでね、って布団がぺらぺらなのは鯉昇師匠じゃなくてけちべえさんか。