りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ザ・前座修業―5人の落語家が語る

ザ・前座修業―5人の落語家が語る (生活人新書)

ザ・前座修業―5人の落語家が語る (生活人新書)

★★★

人気と実力で知られる落語界の5人のスターたち。彼らはどのような修業を経て真打になったのか?徹底して叩き込まれる序列への配慮と礼儀。師匠への過剰なまでの気配り。トラブルや危機が起きたときのとっさの判断と対処法。―それぞれの経験をふまえ、独自のしきたりが生き生きと語られるなか、落語への限りない愛情が浮かび上がってくる。“社会の前座たち”に贈る、一人前になるための英知の言葉。

持ってきた本を読み終わってしまったので、あわてて出先で購入。こういうとき、ついつい落語の本を買ってしまう。
小三治、円丈、正藏、昇太、志らく、5人の師匠が自分の前座修行について語っている。

ついた師匠によって考え方がまるで違っていて、また弟子の受け止めかたもそれぞれ違うのが面白い。
皆自分がしてきた修業が基準になっていて、当時自分は不条理に感じていたことも最終的には必要なことだったのだと、今は全員が肯定している。やっぱりそういうものなのだろうなぁ、と思う。

落語界としてこうあるべきという型があるわけではなく、一門ごとにやり方や考え方が違うところがいい。
落語のどこに魅力を感じるかといったら、結局最後は「ひと」というところ。
辛かった、ただただ我慢だった、案外楽しいこともあった、うちの師匠はよそと違って優しかった、さまざなま感情があるだろうけど、そういう中で自分はこれを得たのだ、と胸をはれる人たちが、生き残っていっているのだろうな。