りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

もひとつ ま・く・ら

もひとつ ま・く・ら (講談社文庫)

もひとつ ま・く・ら (講談社文庫)

★★★★★

お待たせしました!小三治まくら。出演料代わりにマタギから手に入れた熊の胆に始まり、芸者屋の娘・笑子との切ない、数奇な縁、句会、パソコンはバカだ!!まで、いよいよ面白く、辛口で温かい長短21編。再度、ご機嫌伺います。少しお高い枕ですが読み心地抜群。人生の滋味あふれるスーパーエッセイ。

読んでいると好きすぎて「うあああっ!」って思わず声が出てしまう。
小三治師匠といえば今ではもうほんとに大御所だけど、ここにある反骨精神というか真っ当なひねくれ方はいまだに健在で、だからこそこのひとは今でもキラキラしているのだと思う。

好き嫌いがはっきりしていて、ついつい余計なことを言ってしまって、取り越し苦労や気苦労もあって、欲望に忠実で、でも慎み深くて。
人間の魅力が落語にあらわれている。落語は人。まさにその通りだ。素晴らしい。大好きだ。