りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳の家の三人会 めぐろパーシモン

9/2(月)、めぐろパーシモンで行われた柳の家の三人会に行ってきた。

柳家小かじ『道灌』
柳家三三『お化け長屋』
〜仲入り〜
柳家喬太郎『夜の慣用句』
柳亭市馬『妾馬』

開口一番の小かじさんは三三師匠のお弟子さんらしい。
えらい大きな声を出すなぁと思っていたら、この間小三治師匠に声が小さいと小言を言われたらしい。
堅さが残るけれど、素直な「道灌」だった。がんばれ〜。

三三師匠「お化け長屋」。
今日この会場に入るとき、警備員さんに止められましたと言う三三師匠。
昔からよくあることらしい。そんなに芸人に見えないですかね?今度から着物を着て扇子をパタパタやりながら来た方がいいですかね?いやでも前に浴衣を着ていて失敗したこともあるんですよ。
両国にある会場で独演会をやったとき、浴衣姿でコンビニに寄ったら、若い女性が二人でこちらをちらちら見ながらこそこそ話している。
お、気づかれたか、照れるなぁと思っていると、「あれじゃあ勝ち越せないわよねぇ」。
相撲取りと思われた?!

「お化け長屋」は前に浅草演芸ホール小三治師匠のを聞いたことがある。
1回目は成功するんだけど、二回目に来た男はいちいち話の腰を折るし全然怖がらない。そしてやたらと近くに寄ってきてそのたびに「ち、ちかい。そして重い…」と言って男をどけるしぐさが面白い。

喬太郎師匠。『夜の慣用句』
いつものように鉄道ネタのまくら。
私は最後部の席だったので、まわりのお客さんがいつになくしーんとしていたのだが、それでも喬太郎師匠のまくらには笑っていて、さらに下の方には変なタイミングでげらげら笑うおばさんが結構いて、なんか独特な変な空気。
喬太郎師匠も「だいじょうぶですか?」「案外(都立大学って)下町?」なんて突っ込んでいたけれど、なんなんだろうなーこういう空気って。土地柄なのかホールの大きさなのかなんか不思議。

そして「夜の慣用句」。
まだ一度も見たことがなかったのでうれしかったし、大いに笑ったのだが、まくらといい話といい「期待されている喬太郎をちゃんとやった」感があって、ちょっぴりさみしくもあった。
ファンというのはめんどくさいものだなー。

市馬師匠「妾馬」。 この間のよってたかっての時と同じく、BSの談志ドラマに出演した話から、小さん師匠と談志師匠の話へ。
あの二人は最後は袂を分かつみたいになってしまいましたけど、とても仲が良かったんです。自分なんかとは比べ物にならないぐらい強い絆がありましたね。それは見ていてわかりましたね、と。
また小さん師匠が人間国宝になって園遊会に招かれたとき。まさか落語家が園遊会に招かれるなんてとみんながおどろいたのだが、本人も相当舞い上がっていて。なにせ小さんは二・二六事件に加わったと言う負い目がありますから。ってあの人はただ巻き込まれちゃっただけなんですけど。
まさか自分は話しかけられないだろうと思っていたら天皇陛下が小さん師匠に向かって「最近調子はどうですか」と聞いてきた。何も用意していなかった小さん師匠は頭にかーーっと血が上って「最近少し良くなってきています」と答えた。

そんなまくらから「妾馬」。
べらんめえの八五郎がとにかくおかしい。悪気はないけど品がなくてお調子者で気がよくて。
もう見ているとどんどん八五郎が好きになる。
市馬師匠の八五郎は柄の悪さよりも気の良さが際立っていて、楽しい楽しい。
都都逸も粋でとてもよかった。満足。