りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

産経新聞創刊80周年記念落語会 立川志の輔独演会

8/26(月)、東京芸術劇場 プレイハウスで行われた産経新聞創刊80周年記念落語会 立川志の輔独演会に行ってきた。

・立川志の太郎「子ほめ」
立川志の輔バールのようなもの
(仲入り)
・ダメじゃん小出 コメディジャグリング
立川志の輔「帯久」

志の太郎さん「子ほめ」。
ふだんあまり落語に来ない人が多いのか?結構「はなし」で笑っている雰囲気。
笑いがないよりはあったほうがいいんだけど、え?ここでそんなに笑う?っていうのが続くと、複雑な気持ちになったり。
なーんて、あーーあたしもうるさいこと言うようになっちゃったなー。やだなー。

志の輔師匠「バールのようなもの
志の輔師匠の気楽なまくらをゆっくり聴きたいなぁとこの間「旅のまくら」の感想に書いたんだけど、思いのほかすぐに念願がかなってしまった。
イチローの4000本安打、当たりの入ってないお祭りのクジ、発送をもって発表とかえさせていただくプレゼントがおくられてなかったこと、日本人の曖昧さなど、次から次へとゆるゆると話すことの面白いこと!
普段の生活でなんとなくもやもやっと思っていることを、ここまで的確かつユーモラスに話されると、すかっとする。

そしてそんなまくらから入ったのが「バールのようなもの」。
この噺、一度聞いてみたかったのだ!いやっほー!
日本語の微妙なニュアンスをテーマにしたこの噺はまさに志の輔ワールド。
どうでもいいっちゃどうでもいいことをここまでこだわって笑いに変えられるのは凄い。
こういう新作をもっと作ってほしいなぁ。

ダメじゃん小出 コメディジャグリング。
これぐらいの大きなホールにはあまり向かない芸かなぁ。
もっと近くで見たかった!

志の輔師匠「帯久」 2席目はまくらもそこそこに「帯久」。
これはCDで何度も聞いていたので話し始めてすぐにわかって、正直ちょっとがっかり。
嫌いなんだよーこの噺。
いわゆる大岡裁きの噺なのだが、前半がとにかくつらい…。
帯屋の久七が与兵衛にした仕打ちが…聞いていてついつい顔が険しくなる。与兵衛の善良さが伝わってくるだけにつらい。
もちろんそれがあるからこそ後半のカタルシスがあるわけなのだが、私はこういう噺をあえて落語で見たいとは思わないなぁ…。

でも落語という形で一人で善人と悪人を描き分ける志の輔師匠の力は凄い。
落語として見た時にどうなのかというのはあると思うけれど、一つのジャンルとして成立しているし素晴らしいと思う。志の輔らくご。