りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

終わらない歌

終わらない歌

終わらない歌

★★★★★

卒業生を送る会の合唱から3年、少女たちは二十歳になった。御木元玲は音大に進学したが、自分の歌に価値を見いだせなくて、もがいている。ミュージカル女優をめざす原千夏が舞台の真ん中に立てる日は、まだ少し先みたいだ…。ぐるぐる、ぐるぐる。道に迷っている彼女たちを待つのは、どんな未来なんだろう。

「よろこびの歌」の続編。 前作で「私たち」になった彼女らはそれぞれの道を歩き始める。 ひたむきに前に進む者、自分の順位や限界が見えて進めなくなった者、旅立つ者。 情熱を持ち続けることは難しいし、努力しても敵わない相手だっているし、努力だけでは越えられない壁がある。 それがわかり始めた彼女たちの一歩踏み出す姿が清々しい。

歌い始めた瞬間にそれまでの停滞が嘘のように空気が変わる、それが読んでいても伝わってきて胸が震えた。