りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

志の輔らくご in PARCO 2013


1/26(土)、PARCOで行われた志の輔らくごに行ってきたのである。
公演中はネタバレになるから…(誰もこんなサイト読みはしないとは思いながら)と、感想をアップしていなかったのだが、公演も無事に終わったようなので感想をば。
と言いながら日にちがたってしまって記憶もほとんどなくなってしまっていて、とほほ…。
ネタバレなんか気にせず見た後すぐに書けばよかったよ、よよよ。

私が落語を聞き始めて最初にはまったのが志の輔師匠であった。
わかりやすくてあたたかい。聞き始めると癖になって次から次へと聞いては、「志の輔師匠の落語を生で見てみたい!」という想いをあたためてきていたのである。
しかし「チケットがとりにくい落語家」の呼び名にふさわしく、ほぼ1カ月公演があるという志の輔らくごのチケットが手に入らない。
こんなに好きなのに見られないなんてー。きぃー。じゃあもういい!
と得意の逆ギレを見せていたのだが、会社の友だちがカード会社の優先予約枠で申し込んだら無事にチケットをゲット!
念願かなって見ることができたのである。

PARCO劇場のある階におりると人人人。 
明らかに寄席に来るのとは違う客層。もちろん生粋の落語好きな方もいらっしゃるのだろうが、こぎれいなカップル、オサレな女性、お金持ちそうな男性…。かーっ、自分もこれだけ来たがっておいて、そしてこうやって来ておいてなんだけど、なんかいけすかねぇぜ!
…なんて言っちゃいけねぇか。
いやでもきっとこういうのが気に入らない落語ファンもいるのだろうな、と思う。ひらがなで「らくご」とか言っちゃってさ。てやんでぃ!みたいな。

会場に入ると、芸能人からの花輪がどーん!
そしてグッズ売り場がどーん!
さらにグッズを買うと抽選ができるようになってる、どーん!
抽選に弱い私。ほんとはばーんとDVDを買いたいところだけれど、小三治BOX買っちゃってるので我慢。使いはしないけれど手拭いを買って、抽選してハズレて、志の輔らくごのクリアファイルをいただいた。わーい。

あまり嗜好をこらしたものより、たっぷり落語を聞かせてほしいなと思っていたのだが、今年はまさにたっぷり落語で私的にはとても満足。
演目は3つ。
「親の顔」
「質屋暦」
「百年目」

「親の顔」は前から大好きだった噺。
子どものテストのことで呼び出されたおやじ。「まったくこいつはバカでしょうがねぇ」と怒っているのだが、息子の珍解答とそれを書いた理由を聞くほどに、「先生、これ間違いじゃないですよねぇ?」と先生の説得をしだすのがおかしい。
新作だけど、このおやじは私の大好きな八っつぁんだ!

「質屋暦」 これが今回の新作。
最初に暦についての丁寧な解説があり(あれ?でもこの暦の説明、聞いたことがあるんだよなぁ。どこでだっけ?)こういうところがいかにも志の輔師匠らしい。
2軒目に訪れた質屋でのやりとりがなんとも楽しくてあたたかい気持ちになれる。

「百年目」 渾身の古典落語
これがすごかった。途中から志の輔師匠の顔が志の輔じゃなくなく完全に噺の中の登場人物の顔になってきて、見ているこちらも物語の中に入っていって、主人公の番頭さんと一緒にはしゃいだり「ああ、やっちまった」と後悔したりどきどきしたり。
旦那の話は完全に「番頭さん」になって聞いてしまって、涙がぽろぽろ。
素晴らしかった。

というわけで大満足のPARCO公演だった。
落語が低迷していた時代からこういう企画を立ち上げてここまでにした志の輔師匠って本当にすごい!と思った。
でもね。チケットをとりにくいっていうのは確かに値打ちだけど、もっと気軽に独演会が見られるようになるといいな、と思う。