りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

セラフィタ

[オノレ・ド・バルザック][海外ハ]セラフィタ

セラフィタ

セラフィタ

★★★

両性具有の天使、セラフィタの美しくも謎めいた昇天を描く神秘の物語。至上の愛を求めた観念の結晶。バルザックスウェーデンボリの影響のもと、完全なる人間、完全なる愛を求めてあらわした名作。「世界幻想文学大系」からの新装。*

「私が選ぶ国書刊行会の3冊」で山尾悠子が挙げていたのでこれはと思い読んだのだが、宗教色が強く哲学的で私には難しかった…。

セラフィタは人間を超越した存在であり、それゆえ男でも女でもなく、死を恐れることもなく、神と接近することができる。
セラフィタに強烈な恋慕を抱くミンナとウィルフリッド、ミンナの父で牧師であるベッケルは、セラフィタの家を訪ね、セラフィタは彼らに知性の飛躍や神の存在について饒舌に語る…。

両性具有のセラフィタと彼(彼女)に心を奪われた少女ミンナ、ウィルフリッドとの場面は物語として面白かったのだが、セラフィタと牧師が語る宗教や哲学の箇所(これが長い…)はもうなにがなんだかよくわからなくてしんどかった。
キリスト教の排他的で残酷なところがどうにもこうにも苦手なのだ…。
でもどうにか読んだよ、ママン…。背伸びすぎてふくらはぎがつりそうだったよ…。ぜいぜい。