りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

変身,掟の前で 他2編

変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1)

変身,掟の前で 他2編 (光文社古典新訳文庫 Aカ 1-1)

★★★★

家族の物語を虫の視点で描いた「変身」。もっともカフカ的な「掟の前で」。カフカがひと晩で書きあげ、カフカカフカになった「判決」。そしてサルが「アカデミーで報告する」。カフカの傑作4編を、もっとも新しい“史的批判版”にもとづいた翻訳で贈る。

夏休みなので、何か普段は読まないようなものを敢えて読んでみたいと思ったのだ。
とはいっても休みはほんの1週間ぐらいしかないわけで出かける日もあったりすればたいして読めるわけでもないのだが、それでも「夏休み何を読もうかな」と考えるだけでちょっとわくわく♪

というわけで、第一弾がカフカ
昔読んだときはシュールで暗いなぁと思ったのだが、いまこうして読むと案外ユーモラスなのだな、という印象を受けた。
おそらく読む時期や自分のコンディションによって、受けるイメージが全く違う気がする。
何回読んでもなにか発見があったり普遍的ななにかがあるというところが、何世紀にもわたって読み続けられるゆえんなのだろう。

頼りにしていた長男がある朝とつぜん虫になっていたら…最初はただただ驚き嘆きそれからなぜだ?と原因を探しそのうちなんだか腹が立ってきて疎ましくなってきて、いざ死なれてみると喪失感とともに開放感があって…。
家族側の目線で読むとまた違った味わいがある。