特捜部Q ―キジ殺し――
特捜部Q ―キジ殺し―― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1853)
- 作者: ユッシ・エーズラ・オールスン,吉田薫(翻訳),福原美穂子(翻訳)
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/10
- メディア: 単行本
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「特捜部Q」――未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。見事に初の事件を解決したカール・マーク警部補と奇人アサドの珍コン ビ。二人が次に挑むのは、二十年前に無残に殺害された十代の兄妹の事件だ。犯人はすでに収監されているが、彼一人の犯行のはずがない。事件の背後には政治 経済を牛耳るあるエリートたちの影がちらつく。警察上層部や官僚の圧力にさらされながらも、カールは捜査の手を休めない――口うるさい新人も加入して勢い づく「特捜部Q」の大活躍を描く、シリーズ第二弾
一作目が面白かったので、シリーズで読んでいこうと思っている特捜部Qシリーズ。
本作も相変わらずカールとアサドのやりとりが楽しくて、陰惨な事件にユーモラスな味わいを添えている。新たに加わったローサもいいし、保身にまわりつつも筋は通すマークス課長も好き。
警察小説ってこういう内部の人間関係や綱の引きあいが面白いんだなー。
でも今回はなんといってもキミーでしょう!
一味の中で彼女が果たしていた役割を考えると、決して許すことはできないのだが、しかしホームレスになって身を隠しながらも復讐を誓う彼女のことを、気がつけば応援してしまっている。
この圧倒的な強さとしたたかさには魅了されてしまった。
アサドの勘のよさや意外にも有能なローセの調査のおかげで、どんどん真相に近づいていくカール。いやぁ、かっこええっ!
でも今回はなんていうか特捜部の活躍が控えめすぎっていうか、ま、長いしリースの中ではこういうのがあっても全然良いとは思うんだけど、でもまぁあくまでもこれは例外ってことで、次回作はまた正統派でお願いしたい。
以下ネタバレ。
せっかく真相にたどりついたと思ったら、やつらに囚われてしまうカールとアサド。
冒頭のシーンで逃げていたのがカールだとわかったときの衝撃ったら…。
結局キミーの復讐を止める事もできず、自分たちの命をキミーに救ってもらってしまい、さらにキミーに自殺されちゃうって…。
カールたちの役割っていったい…。
やっぱりカールたちが活躍して悪を成敗して欲しいなっ。