りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ティエンイの物語

ティエンイの物語

ティエンイの物語

★★★

日中戦争から文化大革命まで、激動の中国を生き抜いた三人の男女の天職と運命を描いた感動的長編小説。詩人=書家が自らの人生を込めた、フェミナ賞受賞作。

日中戦争から文化大革命まで。時代に翻弄されながら生きた画家の物語。
主人公は限りなく著者に近い。中国で生まれ育ち20歳でフランスに渡り帰化。この小説もフランス語で書かれたらしい。

だからなのだろうか。
今まで読んできた中国の作品とは息遣いや生々しさが違う。
なんとなくガイジンが外から眺めているような距離感。さらに詩的な文章が私にはよそよそしくも感じられた。

国が大きく変わっていくのを遠くから他人事のように見ているようであるかと思えば、渦中に入っていって最愛の人たちを失って人生をずたずたにされる。
章ごとにテンションが様変わりするのに付いていけず最後までなじめなかった。残念。