きのうの家族
- 作者: 三日月拓
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/10
- メディア: 単行本
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家の顔と、外の顔。どっちが本当のあなたですか?二世帯住宅で夫の両親と夫、そして子どもたちに囲まれ平穏に暮らす主婦、真紀子。平凡だけど幸せな家庭だと思っていた(まいにち六人で朝ごはんも食べるし)。なのに息子が受験に失敗してから、調子が狂うことばかり。息子や娘、そして夫にも、それぞれ秘密があるらしく…。離れても、反発しても、やっぱり帰れる場所(だといいな)。何度も読み返したい、ファミリー・アフェアの名作誕生。
二世代住宅で夫の両親、夫、息子、娘と6人で暮らす主婦真紀子。
「養ってやってるんだぞ」とため息で主張している夫。
成績優秀で合格間違いなしの太鼓判を押されていた高校受験に失敗する長男。
自分をきれいに見せることしか興味のないような長女。
夫の両親を訪ねてくる謎の女性。
わかってるつもりでいた家族のことがある日突然わからなくなる。
それぞれの秘密があって悩みがあって家族には見せない顔があって…。
道を踏み外しそうになった時、ふと思い出したのはきれいに片付けられた我が家のリビング。家族揃っての朝ごはん。時々家族のご機嫌をとるかのように父が買ってくるハーゲンダッツ。
お互い秘密を持ってるし、全てをわかりあえるわけでもないし、通じあえるわけでもないけれど、こういうものでわたしはできてる。
だからちょっとふらふらしても、ちゃんとここに帰ってくる。何食わぬ顔をして。
家族ってこういうものなのかもしれないなぁ。
特に長女の章が良かった。ちょっと身につまされた…。>ムスメのいる身としては。
そんなに期待せずに読んだんだけど、なかなか良かった。