大好きな本

大好きな本 川上弘美書評集

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「好きな本があるよ、いい本があるよ、みんなもよかったら読んでね!」――この10年のあいだに読売・朝日新聞の書評委員をつとめる川上弘美が、「ほんとうに自分がいい」と思った傑作とは? 谷崎、百から田辺聖子、江國香織、古井由吉、堀江敏幸そして柴田元幸や岸本佐知子の翻訳まで著者おすすめの130冊。詩集もあれば、漫画もある。あなたを心よろしき読書に誘う、思わず読みたくなる川上流ブックガイド!

「第2図書館補佐」に続いてまた本の紹介の本。
これがまた素晴らしい書評の本で。
作家っていうのは本当に文章を大切にしているのだなぁ。作家の書く文章というのは本当に質が違うんだな、としみじみ思った。

書評だけれどまるで小説を読んでいるよう。
本の表面をなぞるのではなくその奥にうっすら見えるものを選び抜かれた言葉で丁寧に書いてあって、だけど決して書きすぎていなくて先入観を与えるようなことはしないように注意が払われていて、もちろんばっさり切り捨てたりするようなことは決してしなくて、だけどその物語の世界や空気や揺さぶられる感じを情熱的に伝えていて、読んでいてため息が出てしまう。

自分がこうして書き散らかしている雑な感想が恥ずかしいわ…。
って比べることなんかできないんだけど。
でも又吉といい川上弘美さんといい、その小説に対するリスペクトがきちんと表現されていて、そこがほんとにすばらしい！と思った。

私はほんとにただの一読者で、難しいのはよく理解できないし、ほとんどのことを好きと嫌いでしかはかることもできないし、間違った読み方をしていたりトンチンカンなことを言っていたりすることも多いんだけど、でもやはりこの書いた人に対するリスペクトの気持ちは決して忘れてはいけないね。

紹介された中には明らかに自分が苦手として避けてきたものもあったのだが、川上さんの言葉を頼りに読んでみようか、という気持ちになった。