ミドリさんとからくり屋敷
- 作者: 鈴木遥
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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電信柱が突き出た家に住むミドリさんの正体は!?
屋根から電信柱が突き出た不思議な家。そこに住む97歳の元気なおばあちゃん、ミドリさん。27歳の著者は、謎多きこの家とミドリさんにひかれ、電信柱のお屋敷に通うようになる。そして・・・。
「序章を読んで傑作の誕生を予感した」(佐野眞一氏)、「ノンフィクションの新しい分野に挑んだ力作」(茂木健一郎氏)と絶賛された第八回開高健ノンフィクション賞次点作品。
めったに読まないノンフィクション。
でもこれはお気に入りのブログで表紙を見た時に「読みたい!」と思いチェックしていたのだ。
著者が高校生の時に見つけた電柱が家の真ん中から飛び出している家。
いったいどんな人が建てたのだろう?その圧倒的なたたずまいに心惹かれ好奇心を抑えきれず、ある日その家を訪ねる。
そして出て来たのがこのミドリさんなのである。
この家はミドリさんと夫で設計し建てた家だということを知りますます興味をひかれた著者は、この後何年にも渡りミドリさんのもとを訪れては、この家の設計から彼女の歩んできた人生についてインタビューを行い、彼女のルーツを探るべく故郷も訪ねるのである。
もっと写真を載せてほしかったとか、ここまで詳しく書くなら設計図も載せてほしかったとか、家かミドリさんかどちらかに焦点をしぼったほうがよかったのでは?とか、思うところはいろいろあるのだが、しかしそんなことはどうでもいいのだ。
とにもかくにもミドリさんの素敵なこと!そしてミドリさんとその家への著者の視線の温かいこと!
「一般人」と言われる人の中にも、こんなにも個性的で魅力的な人がいるのだ!と思うと、もっともっとがんばれ、わし!と思うなぁ。
年のせいにしてしょぼくれるにはまだまだ早い。