家族写真
- 作者: 辻原登
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/03/04
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
玉緒が就職のために村を発つ前日、父の発案で撮った家族写真。半年後、帰郷した彼女は写真館に飾られた写真を前に「遅くなってごめんなさい」と呟く(「家族写真」)。断食で衰弱したガンディーの口から漏れた言葉は、幼き頃に別れた息子の名前だった(「わが胸のマハトマ」)ほか、美しく華麗な短篇七本に加え、文庫版「あとがき」を収録。
なかなか渋い短編集。
フツウの小説なのに伏線と余韻が意味ありげなのでミステリーの味わいもある。
就職が決まった玉緒のために、家族で写真館に行って撮る「家族写真」。
これがもうなんともいえず良かった。
写真を撮るってこうしてみると、なんか少し呪術っぽい行為に思える。
玉緒の後悔がとてもリアルで痛かった…。