りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

どこ行くの、パパ?

どこ行くの、パパ?

どこ行くの、パパ?

★★★★★

ユーモア作家として活躍する陰で、重い障害を持つ二人の息子を抱え、懺悔と自責の念で激しく苦悩する父親。子どもたちとの日々をいまようやく素直な思いで語る、笑いと涙の自伝的小説。

重い障害を持つ二人の息子がいることを隠し、ユーモア作家として活躍してきた作者。
子どもたちとの葛藤の日々を仕事で鍛えたブラックユーモアを交えて、赤裸々に語る…。

今まで読んだことが無いような、生々しい言葉が胸に突き刺さる。
ドキっとするほど辛辣な言葉や、笑えないぐらいきついブラックなユーモアが、ヒリヒリする。
でもどんなきつい言葉を吐いてもそこには、子どもを理解したい、子どもに理解されたい、愛していることを伝えたい、少しでもその愛にこたえてもらいたい、そんな気持ちがあって痛いほど…。

同じ立場になってみないと、その気持ちはわからない。
私もこれを読んで思った。ああ、やっぱり私は何もわかっていなかった…。ごめんなさい…、と。
それでもこの本を読んで「ああ、やっぱりそうだよな…」と思うことはできた。それはないよりはましぐらいの程度なのかもしれないけれど、それでも大事なことなんじゃないかな。

わからなくても理解しようとすること。何もできなくても気持ちを寄り添わせること。
それはとても大事なことなんじゃないか、と思う。