すばらしい墜落
- 作者: ハジン,立石光子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2011/03/18
- メディア: ハードカバー
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嫁姑問題の意外な解決方法、年金と介護現場の苦悩、そして遠く離れた親を思う心…NYに暮らす中国系移民の生活を描きつつ、普遍性をもった心にしみる短編集。
うおーーーおもしろい!ハ・ジン大好きだ〜。
じっとり湿っているのにカラっと乾いているこの感じがたまらない。これが国民性なのか、あるいは中国出身で、アメリカに移住し帰化するという彼の生い立ちによるものなのか分からないけれど、中国ってやっぱりなんかすごく面白いぞ!と思う。直感。
初めて、ハ・ジンによる短編を読んだのだが、これがまたいい!
「え?そこで終わっちゃうの?」と呆気にとられるようなブツっと感がいい!
人生は楽なことばかりじゃなく、自分自身も決して「明確な何か」を持っているわけではないんだけど、その中で普遍的なもの、良きものを選び、どうにか良い状態を維持していきたいと願っている。
その感じが伝わってきて、最後まで読んでももやもやな小説ではあったんだけど、心のすごく深い部分で共感できてよかった〜。