りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

モンスター

モンスター

モンスター

★★

田舎町で瀟洒なレストランを経営し、町中の男を虜にする絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ呼ばわりされ友達もできない悲惨な日々。そして思い悩んだ末、ある事件を起こしてしまう。追われるように移り住んだ「美女の街」東京。そこで整形手術に目覚めた未帆は、手術を繰り返して完璧な美人に変身を遂げる。そのとき、甦ってきたのは、かつて自分を虐げた町に住むひとりの男に対する、狂おしいまでの情念だった―。

ビューティコロシアムが好きだ。
好きだと書いたけど、見ていてなんか「これっていいんだろうか」とか、もやもやすることも多い。そして見てはいけないものを見てしまったような、これを面白いと思ってみている自分が恥ずかしいような気持ちにもなるんだけど、でも見ないではいられないし、見ながらなんだかいろんなことをおもってしまう。

あの番組を見ていて、出てくる人たちがみな容姿が醜いということであからさまないじめを受けてきたということに、驚く。 それは小学校から始まって中学、高校、大学、職場とほとんど常にいじめられていて、「お化け」とか「ブス」とか酷いあだ名をつけたれたり、面と向かって蔑まれたりしている。
面と向かってそんなふうに酷い言葉を投げつけてくるひとがそんなにいるんだろうか?と思うけれど、でもそこまであからさまに言うことはなくても、なんとなく避けられたり低く見られたりすることはあるんだろうな、と思う。

この小説も、ビューティコロシアムを見ているときのような気持ちで先が気になって夢中になって読んだ。
でも、うーん…。最後まで読んで「だからなに?」という気持ちが残ったなぁ。作者はいったい何を言いたかったんだろう…。