善良な町長の物語
- 作者: アンドリューニコル
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2009/11
- メディア: 単行本
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ベラスケスの『鏡のヴィーナス』よりも美しく、大切で、愛しい存在―人妻の秘書アガーテに、お人好しの町長ティボ・クロビッチが恋をした!バルト海沿岸、路面電車がはしる北欧の小さな町を舞台につむがれる、不思議な味わいのラブストーリー。スコットランド・ファーストブック賞受賞作品。
お人よしでまじめで善良な町長ティボは秘書のアガーテに恋をする。流産して以来心を閉ざしてしまった夫との生活に疲れていたアガーテもいつしかティボのことを想うようになり、2人はまるで付き合い始めのカップルのように少しずつ距離を縮め一緒にランチするようになる。
2人がお互いへの気持ちを募られつつも、もう一歩が踏み出せなかったり誤解したりタイミングが悪かったりして、すれ違っていくところは、なんとも切なくじれったいんだけど、後半になって物語はいきなりファンタジックな展開に…!
いやぁ、なんか変な小説だ。
奇抜な物語は他にもたくさん読んできたけど、この小説はちょっと一味違うっていうか、なんていうか…。
語り手が天使(ヒゲの生えた女の天使?!)っていうところから始まって、すごくリアルなんだけど全体的にはファンタジーっていうか寓話っぽいところや、前半と後半で話のテイストが変わるところや、物語全体のテンションも…なんかちょっと違和感があって不思議な感じ。
読み終わった時の状態を表現すると、まさに「狐につままれる」感じ。
ん?なに?なんだって?って、最後の数ページを読み直した。
面白い小説を書く人だなぁ…。
この人が書いた別の作品も読んでみたい!もしこの1冊きりだったら、これはほんとに天使が書いた小説なのかも!?