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- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/05/26
- メディア: 単行本
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彼は、小説に命を懸ける、と何度も言った。小説は悪魔ですか。それとも、作家が悪魔ですか?恋愛の「抹殺」を書く小説家の荒涼たる魂の遍路。
「OUT」と何らかの関係がある作品なのかと思って読んだんだけど、そんなことは全然なかった。レビューを見ても賛否両論なんだね。多分「OUT」路線を期待して読んだら、「はぁ?」って感じなのかもしれない。桐野夏生もヤキがまわったわね 、みたいな…。
でも私はとても面白く読んだ。桐野夏生には苦手意識があったんだけど、これを読んでやっぱりなんかすごい作家だなぁと思ったし、他の作品もが善読んでみたくなった。
大きな事件は起こらなくても、男と女がいればこんなに恐ろしいことになってしまうのね…。 登場人物は誰もあくが強くてクセがあって心許せない感じで好きになれないんだけれど、でも自分もこうなってしまうかもしれないと思わせるリアル感がある。 作家の業みたいなものもとてもリアルに描かれていて、いやらしいなぁと思いながらも、ぞくぞくするような凄みもあって、面白かった〜。