りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

風化する女

風化する女

風化する女

★★★★

突然亡くなったれい子さんには、別の顔があった。私はその謎を探るべく、れい子さんになり代わろうとした。文學界新人賞受賞作!

淡々とした文章とどこに転がっていくかわからないような物語なんだけれど、ところどころに作者の若さが作用してか甘酸っぱさが漂う。
それは決してマイナスな感じではなく、むしろ「ああ、なんかきれいだなぁ」って清清しい感じで、とてもいい。

43歳で孤独死した先輩OLれい子さんを描いた「風化する女」。
女友達2人が田舎に帰った男友達を訪ねる「海行き」。
過去と未来を決して甘くない視線で見つめながらも、どこかにまだ自分の未来への希望も感じさせてくれて、そこに救われる。
いいねいいね。なんかどんどん若い人で面白い作家が出てきてるなぁ…。