りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

天璋院篤姫

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)

新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫)

新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫)

★★★★

十八歳で藩主斉彬の養女となった篤姫は薩摩島津家分家に生まれた学問好きな姫であった。その才覚、器量を見込んだ斉彬は画策の末、篤姫を十三代将軍家定の正室として江戸城に送り込んだ。形ばかりの結婚に耐え、病弱な夫を支え将軍御台所として大奥三千人を見事に統べる篤姫には、養父斉彬の密命が…。2008年大河ドラマ原作。

珍しいものを読んでしまった…。
自分で手に取ることはありえない本なんだけど、本好きの旦那のおとうさんが荷物の中に入れてくれていたので、こりゃいっちょ読んでみるかと。
ドラマ「篤姫」は見ていないけれど、本を読んだら見ておいてもよかったなぁとちょっと後悔。宮崎あおい、好きだし。

ドラマの内容を聞きかじった印象だと、これは篤姫のサクセスストーリーなんだろうなと思っていたんだけど。そんな甘い物語ではなかった。
やっぱりこの時代の女性は辛いなぁというのが私の正直な感想。自分の裁量で決められることなんてほとんどないし、情報も入ってこないし、結婚も政治の道具でしかなくて、いやぁこの時代に生まれなくて良かったわ。

それでもそんな時代だからこそ、時代に翻弄されながらも健気に生きた篤姫の強さには心を打たれた。
不自由な中でも自分の道を信じて持てる力を全て発揮して誇り高く生きるというところは、今の時代でも十分通用する気がした。