りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

逃亡くそたわけ

逃亡くそたわけ

逃亡くそたわけ

★★★

21歳の夏は一度しか来ない。あたしは逃げ出すことにした。
軽い気持ちの自殺未遂がばれて、入院させられた病院から。
逃げるのに思いつきで顔見知りを誘った。24歳の茶髪で気弱な会社員。
すぐに「帰ろう」と主張する彼を脅してすかして車を出させた。東へ。そして南へ。
__おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。

圧倒的なフィクションだと、読んだ時の自分のコンディションに左右されないが、こういうとりとめのない小説って、結構コンディションによって感想が変わってくるような気がする。
読んだ時の自分の状態によって「面白い!」になったり「だからなに?」になったりするんだよなぁ。あくまでも私の場合は、なんだけど。

で、今回はですね。「だからなに?」でしたわ…。
多分「白の闇」を読んだ直後に読むべき小説じゃなかったんだと思う。痛恨の選択ミス。

主人公の花ちゃんは躁病を、一緒に逃亡するなごやんは鬱病を患っている。
二人の心の病について深く書いていないので、なんとなく心の病を患った若い二人がなんとなく逃亡してなんとなく前を向いて帰ってきた、みたいな感じを受けてしまった。
でも若い人はこういうの好きなんだろうな。
って、すごく冷やかな感想で、ごめん…。