りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

どこから行っても遠い町

どこから行っても遠い町

どこから行っても遠い町

★★★★★

男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ「平凡」な主婦とその姑、両親の不仲をじっとみつめる小学生、裸足で男のもとへ駆けていった魚屋の死んだ女房…東京の小さな町の商店街と、そこをゆきかう人々の、その平穏な日々にあるあやうさと幸福。短篇の名手による待望の傑作連作小説集。

やっぱり川上弘美はいいなぁ…。 どちらかというと小粒な作品なのかもしれないけれど、この開き具合と閉じ具合が私にはちょうどいい。

ものすごく面白い小説を読んだ後は必ずちょっと読書スランプみたいになっちゃうんだけど、それを「どうどうどう…」と沈めるのに、ちょうどいい小説だった気がする。