水曜日のうそ
- 作者: C.グルニエ,河野万里子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/26
- メディア: 単行本
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毎週水曜日の正午におじいちゃんはやってくる。15歳の孫娘は大好きなおじいちゃんの話し相手になるのだが、話はいつも腰痛と昔の思い出話。おじいちゃんの息子である父が、そんなおじいちゃんを迎えることに嫌気がさしてきたころ、父の仕事の都合で孫娘一家は引っ越しをすることに。新しい転居先へ高齢のおじいちゃんをつれていくことはできないと考えた家族は、毎週水曜日の正午だけ、以前の家にもどることに決めた。引っ越したことを悟られまいと孫娘一家は、おじいちゃんにうそをつく。しかし、うそをついていたのは孫娘一家だけではなかった―。お互いがお互いを思って「うそ」をついた、優しさにみちた家族の物語。
まるでお芝居を見ているような、小さな物語。
ここに出てくるおとうさんはちょうど私ぐらいの年齢なのだろうか。
もう十分大人で、親をいたわっていかなければならないのだが、まだ親に対しては自分が子どもであるという気持ちを残している。
仕事にエネルギーを注ぎたい、まだもう一花咲かせたい、そう思っているから、時に年老いた親を足かせのように思えてしまう…。
わかるだけにこのおとうさんのとった行動がなんとも腹立たしかったなぁ…。
おじいちゃんのついた嘘は優しい嘘だったけれど、おとうさんのついた嘘は優しい嘘ではなかったと思う。それだけに最後流す涙は苦いものになったわけだけど…。うーん…。