りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

冠・婚・葬・祭

冠・婚・葬・祭

冠・婚・葬・祭

★★★★★

FUTON」で鮮烈デビューし、「イトウの恋」「均ちゃんの失踪」など次々と話題作を刊行し続ける著者の、真骨頂です。すっかり様変わりしながらも、かたちを変えて営まれつづける人生の節目の儀式。そこに、人が生きる大きな時間の流れと、毎日の暮らしの営みの細部が、鮮やかに描き出されます。ふと、生きるってこういうことなんだなあ、と思う瞬間。そんな瞬間がみごとに切り取られています。

あらやだ。これすごく好きだ。
いろんな人の感想を読んで、これはなんか好きかもしれないと思って読んでみたんだけど、大当たりだった。うれしい!

冠婚葬祭をテーマにした連作集。前の話に登場した人が次の話で主役になったりと、重なり合っていくのがまた楽しい。
なんかこの温かくてユーモアがあってちょっとシニカルでじーんとくるところがすごく好み。
特に好きだったのが、お見合いおばあさんの話。これ面白い。「わかるわかる」とうなづいて、「ああ、でもきっと…」とちょっと意地悪く笑って、最後に「そうきたか!」と膝を打つ。

他の作品も読んでみよう。あー楽しかった。