りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

ブラック・ヴィーナス

ブラック・ヴィーナス (Modern&Classic)

ブラック・ヴィーナス (Modern&Classic)

★★★

ボードレールの愛人、狼少女、手斧殺人のリジー・ボーデン…実話をもとに、文明や社会の禁忌を軽やかに越えて生きる女性たちの姿を豊かなイメージで描き出す。マジック・リアリズムの旗手の自選短編集。

前に読んで苦手だと思ったアンジェラカーターに再挑戦。うーん…やっぱり苦手かも…。
ものすごく読みにくいのだなぁ、文章が。こうくるだろうという予測をことごとく裏切るメロディみたいなの。文章自体もそうだけど、物語自体もわかりづらくてストーリーを追いづらい。短編なら入門向きかと思ったけどそうじゃなかったかなぁ…。
ただ、もやもやしているけれど印象は強烈で、雰囲気とかシーンとかは頭に焼き付いているような気がする。

全部が全部理解不能だったわけではなく、中には面白いと思う作品もあった。

「わが殺戮の聖女」は、ランカシャーに生まれロンドンで娼婦になり、囚人としてヴァージニアに送られてきた女の物語。プランテーションを逃げ出した彼女はインディアンの女性に助けられ、そこで暮らし始める。インディアンの男と結婚し幸せを得たように見えたのだが、村に英国人が侵入してきて…。
この女のたくましさ、したたかさは好きだな。こういう風に主観的に描いてくれると私にも理解できるのだが「ブラック・ヴィーナス」ぐらい突き放して描かれてしまうと、どう感じていいのかわからなくなってしまう。ここらあたりが私の境界線なのかもしれない。