歩く
- 作者: ルイス・サッカー,金原瑞人,西田登
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: 単行本
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『穴』の仲間が大活躍するスピンオフ作品!
笑いと感動の大傑作『穴』の登場人物であるアーム・ピットとX・レイがお金儲けを画策。
すんなり大成功とはいかずに・・・。痛快でさわやかな青春冒険小説。
「穴」がとても良かったので、その続編ということで読んでみた。「穴」に出てきたアームピットが主人公の物語。
グリーン・レイク上がりのアームピットはその穴掘り技術を使って造園会社でバイトをしている。根がまじめなアームピットは施設には二度と戻らないということを堅く誓い、高校を卒業するためにまじめに勉強に取り組み、バイト先でもその穴掘り能力を評価され、こつこつ貯金をして堅実な生活を送っている。そこへグリーン・レイク仲間のX・レイがあらわれて、いい儲け話があるから自分にカネを預けろと言うのだが…。
とにかくアームピットがいい奴!そして生まれた時から脳性麻痺の10歳の女の子ジニーとの関係がとてもいい。お互いを認め合って尊敬して支えあう彼らの姿には心を打たれる。
病気でいつ死んでもおかしくないこの相手を怖くてどうすればいいかわからないと語るカイラに向かって、アームピットが言うセリフがとても素敵だ。
「その女の子は、(きみに)病気を治してほしいなんて思ってないよ。ただその子の目をまっすぐにみて、まだ生きてるんだってわからせてあげればいいんだ」
「穴」ほどのインパクトはなかったけれど、とても爽やかな青春小説。