りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

古都

古都 (新潮文庫)

古都 (新潮文庫)

★★★★

入っているコミュニティの課題本になっていたので読んだ本。ちなみに先月はシェイクスピアの「夏の夜の夢」を読んだのだった。なんとカーネーション(←ラブ)のツアー名とかぶってる!!きゃー!運命だわー!
…ってそのわりに感想書かなかったなー、「夏の夜の夢」。なんかおバカな感想しかもてなかったから書けなかったんだなー。ってそんなこと言ったら、他の感想がおバカじゃないみたいじゃないか…。ははは…。

で、今月の課題本が「古都」。
これはもう課題本になってなかったら一生手に取ることはなかっただろう。
というのは私はいわゆる日本のこの頃の作家が苦手なのだ。特にその中でも苦手なのが川端康成。完璧に読まず嫌いなんだけど、読みたい本がたくさんあるのに敢えて川端康成なんか読みたくないわーと長いこと思っていたのだ。私ったら日本文学科卒業のくせに日本文学嫌いなの…。

でも今はもうここ数年来ないぐらい読書熱が高まっているし、そもそもそのコミュには食わず嫌いをしている作家の本も読んでみようという気持ちから入ったわけなので、こりゃ読んでみなければ!待ってろよ川端!と思った次第なのであります。
って例によって前置きが長い…。

捨子ではあったが、京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘・苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだったのだ。互いにひかれあい、懐かしみあう二人だったが、永すぎた環境の違いから、一緒には暮すことができない……。古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に、由緒ある史蹟のかずかずを織り込み、流麗な筆致で描く美しい長編小説。

京都、呉服問屋、美しい娘、実は捨て子、実はふたご…。来たよ来たよ…。きれいで弱弱しくて、おやじ's dream みたいな女性が出てきて、なよっと恋愛しちゃう、みたいな物語なんだろう?と思って読みはじめたんだけど、決してそんな風ではなかった。
いやこれが案外面白かった。意外にも。まさか面白いと思うなんて実はこれっぽちも期待していなかったんだけど、物語としても結構面白かったし、主人公の千重子も凛としていてとても魅力的だった。京都弁で描かれた作品なんて読みにくそうだなぁと思っていたけれど、そんなこともなく読んでいてリズムが結構心地よかった。

いやぁ。読まず嫌いは良くないね…。とは言っても、やっぱりなんかちょっとこうまどろっこしいような感じがしてしまったことは否めなくて、他の作品も積極的に読むかどうかは???だけどね。

あ。ちなみにこんな私が日本文学科で何を専攻したかというと、中世の隠者文学です。西行とか。