90年代SF傑作選(下)
- 作者: 山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
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奇想コレクションに飽き足らずついにこんなものにも手を出してしまった。SF苦手なくせにチャレンジャー…。
そもそもはテリービッスンの「ふたりジャネット」がとても良かったので、他の作品も読んでみたいと思って検索していて、この本に当たったのだ。あーでも今検索したらまだ他にも翻訳本たくさんあるんだ!おお、「フィフスエレメント」もそうだったのか。「世界の果てまで何マイル」…タイトルがいいなぁ。すきかどうかはちょっとわからないけど。
テリービッスンの「マックたち」は、いかにもビッスンらしい(ブラックな)ユーモアに満ちた、面白悲しく恐ろしい作品。なんかとても惹かれるなぁ、この作家には。他の作品も読んでみよう。
エスター・M・フリーズナーの「誕生日」は、うーん…確かにこれはSFではあるけれど、マーガレットアットウッドの「侍女の物語」にも似た…SFという形をとりながら、訴えたいことがはっきりとある作品。これが読めただけでもこの本を選んで正解だったなと思えるよ。
同じような感想を持ったのが、ナンシー・クレスの「ダンシング・オン・エア」。これも設定はSFチックだけど、特にSFということを意識させない内容。
それから私が好きだったのは、ジャック・マクデヴィットの「標準ローソク」。これもSFなの?なんとも暖かくて静かでしみじみとする作品。
あまりにも宇宙とか理数っぽいワールドに寄ってしまっているSFはだめなんだけど、この短編集に集められている作品はほとんど全部好きだった。せっかくだから上巻も読んでみようかな。