ページをめくれば
- 作者: ゼナ・ヘンダースン,安野玲,山田順子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/02/21
- メディア: 単行本
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ああ、何てすばらしいんだ、奇想コレクション。これで7冊目だけど、ほんとにどれもハズレなしだよ。
こういう志が感じられる出版社は本当にすばらしいね。応援したい。(じゃあ買えって?図書館じゃなく?…どきどき)
もともとそんなにSFは得意じゃないから、ゼナ・ヘンダースンのほかの作品を読んだことはないんだけど、これは要チェックだわ。他のも絶対読んでみたい。
この作品には全部で11話の短編が収められているが、元教師というだけのことはあって、教師の視点から描かれた「不思議な子どもたち」の物語が多い。摩訶不思議な物語も多いけれど、それだけにとどまらないところがこの作家のすばらしいところだと思う。
「忘れられないこと」には教師でいることの喜びがあふれているし、「先生、知ってる?」には教師の無力感が滲んでいる。
「しーッ!」「信じる子」には、子どもの底知れぬ力がちょっとホラーっぽく描かれているが、後味の悪さがないのはおそらくその視線がとても優しいからじゃないかと思う。
私が一番好きだったのは「小委員会」だなぁ。小説としては「よくできた」作品じゃないかもしれないけど、なんかツンと涙が出てきちゃったよ。