頼むから静かにしてくれ(1)
- 作者: レイモンドカーヴァー
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 新書
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これも村上春樹翻訳ライブラリーより。
初めてカーヴァーを読んだ時の衝撃は忘れられない。
こういう小説があるんだ。短編小説ってこんなに面白いものなんだ。今のアメリカの作家ってこんな作品を書くんだ。
もっとこういう本はないんだろうか。もっとほかにこういう作家はいないんだろうか。そんなところから、今の私のアメリカ作家好きが始まったんだと思う。
今こうして読み返してみると、カーヴァーは私にはちょっとナイーヴすぎ、内省的すぎるように感じられる。この微妙に揺れ動く感じに当時はとても感激したんだけど、あれからいろんな作家の小説を読んできた私には、ちょっと物足りなさを感じるし、繊細すぎるような感じがしてしまう。いやこれはあくまでも好みの問題なんだけど。
どことなくかみ合わない会話。話しているうちにだんだんいらいらしてくる感じ。自分の中にもやもやとくすぶる何か。そういう部分を実にうまく表現するよなぁ、カーヴァーって。
好きだったのは「隣人」「アラスカに何があるというのか?」
このもやもや〜が私にはとてもカーヴァーらしく感じられる。