エバ・ルーナ
- 作者: イサベル・アジェンデ,木村栄一,新谷美紀子
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1994/07
- メディア: 単行本
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あー面白かったー。これぞまさにストーリーテラー!って感じだ。こういう小説にめぐりあえるから、読書ってたまらないなーと思う。
イザベル・アジャンデってどんな作家?と思ったら、「精霊たちの家」の作者だった。>いつか読もうと思って買ってまだ積んでいる本なんだけど。
こういう小説を読むと、とっても失礼だけど、先に読んだ「ハートブレイク・カフェ」なんて吹っ飛んじゃうなぁ。
先が読めないけどとっても読みやすくて理解しやすいストーリー。めちゃくちゃ魅力的でへんてこりんな登場人物たち。
こんな小説、他の人には書けないよね。すごいオリジナリティと想像力だ。
捨て子で修道院で育てられた母コンスエロが、死体保存法の権威であるジョーンズ博士の屋敷に女中として雇われ、そこで生まれ育ったエバ。
母が死にジョーンズ博士も死に屋敷を追い出されて、そこからエバの果てしない冒険の旅が始まる。
とんでもない変人の家で女中として住み込みをしたり、善意の人に拾われたり、売春婦の家に居候したりしながら、子どもから少女にそして大人の女性に育っていくエバ。
彼女が人々に与えられるのは、「お話」だけ。この小説の中で語られるエバの作ったお話が、これまた面白いのだ。
こういう小説内小説って、好きなんだよなぁ。
そしてエバの話と並行して語られる、ロルフの物語が、また面白い。
力強い生命力を感じさせるエバに対して、どことなく危うい感じのするロルフ。
この二人がどこで出会って、どういうふうに物語が展開していくのか。
もうわくわくドキドキしながら読んだ。
ものすごい悲惨な結末が待っているのか、それともハッピーエンドなのか。全く予測がつかないのだ。
イザベル・アジャンデ自身がエバのように、自分の中から、物語が次から次へと湧き出してきて、止まることなくタイプライターを打って書いたのが、この作品なんじゃないだろうか。